テーレッテー

−−−オラァオラァベリアルエッジィ*1
「………」カチャカチャ
−−−ウオォマダオワリジャネェゾウオォカウンタァオラァオラァベリアルエッ
「……なん……だと……?」
「何をして……ってまたブレイブルーCSですか。今日は使用キャラが違いますね。なにかありましたか?」
「元々、前作のCTではラグナを使っていたんだが、CSではハザマに浮気中でね。しかしラグナの変更点を見てみると楽しそうだったので昨日早速ラグナを触ってみたという次第……なんだが」
「どうかしました?」
「簡単で強すぎる。比較で言えば前作と、ハザマに比べて、という局地的なモノだと思って欲しいんだが、別に強キャラ宣言*2でもいいくらいだよ。コンボの繋がり安さと起き攻めのし安さが上記二人に比べて格段に良い。多分全体的に見ても複雑なコンボが減っている今作でこれはかなりの強みだろうね」
「相変わらずよく解りませんが変に持って回った口ぶりですね」
「特別言及するつもりは無いが身内向け会話以外で強キャラ弱キャラの話は比較的遠慮したい項目の一つなのだよ。簡潔に言うと面倒くせぇ」
「何が強い、弱いは人に寄る、という事ですか?格闘ゲームの基本を一から教育してやるのが面倒くさい、と」
「君は格ゲー経済をご存知ではない。よくありがちな勘違いをしている。いいかい?格闘ゲームに極端な話キャラ差なんて無いんだよ*3
「?どういう事です?2重の意味で」
「キャラの強弱を感じてそれが遊戯上問題になるというならキャラを変えればいいだけの話だからさ。そこに自我を含めると価値観の問題になってくるので面倒くさい上にそれを自覚していない相手に『ソレ』を説くのは本当にしんどい。そういう意味で面倒くさいのだ。後もう一つはモスクワよりも先にウクライナ石油資源が欲しい*4という事だ」
「日本語でおけ」
「……という前提で本題に入ろう。詳細は後述する。ゲームには目的と手段が必要で主軸は手段、大義名分が目的、というのが昨日のお話だったね」
「ええ。そして人はマゾい。にんげんだもの。という話でした」
「アーケードでも家庭用と似た作りのゲームはある。例えばシューティング、パズル、アクションあたりはその筆頭かな。全ステージクリアを目指して、キャラクター、自機を操作するという手段を取る。この際にこのジャンルがアーケードである利点としては、『攻略手段が身体能力にしか依存しない』*5事だ」
「セーブ出来ない、ってことですか?」
「端的に言えばそうかな。一般的な家庭用ゲームのようにレベルアップや装備の向上などの、積み重ね要素が目に見えて無い……訳じゃないんだが、まぁ少ない*6。基本的にそのゲームをクリアする為の手段として、ステージを覚えたり、攻略パターンを作成したり、反応速度を上げたりする。けれどこれはゲーム内部に蓄積する事の出来ない要素だ。家庭用に移植する際はそういう目に見えぬモノの具現としてプレイ時間などで表したりするけどね。だからアーケードのワンコインでゲーム開始!一発勝負!という雰囲気にはマッチする。逆に一般的な家庭用のイメージ、買ってじっくりやっちゃうぞー、というモノとはそぐわないジャンルと言える」
「……でもそのジャンル筆頭のマリオ売れまくってますけど」
「うぐ、まぁ基本そういうジャンルはライト層向けでやり込みを考えないと比較的クリア自体は簡単に出来てるからさ! マリオは多人数プレイアクションを前面に押し出してるし、そういうライト、ファミリー層に購買率の高いWiiならではのヒットでしたね!あれは例外っつーかWii市場は今までのゲーム常識では計れん*7
「必死過ぎますよ」
「ともかくだ。ではゲームクリア自体が目的ではないゲームに焦点を当てよう。筆頭は格闘ゲーム音ゲー、過大解釈すれば麻雀やメダルもそうなるかな」
「まぁ、どれも一見さんお断りっぽいですねぇ。どれも覚えるまでが辛いとか慣れるまでが辛いとか言われるジャンル*8ですよね」
格闘ゲームなどは一応のクリアが設定されているけれど、あれは初見ですらクリア出来る内容のモノばかり。……たまに対人以上の最高難度のモノがあったりするがな。そのゲームを遊び続けるという手段の目的として相応しくない」
「クリアだけだったらコンテニューとかすれば余裕ですし」
「最近のはコンテニュー時に難易度減少とかあるらしいが……まぁ余談だが素人は、っていうか素人じゃなくてもコンテニューはしない方がいいぞ。始めからやり直して序盤の面を繰り返し練習の時間にした方が色々為になる。それはともかく。ある特定の曲をクリアするまで、というレベル段階を小目的としてそれをバージョンアップの度に追加して目標を擬似青天井にしている音ゲー、一度のジャックポットまでを目的として資産の増減を楽しむメダルの事はこの際割愛させて頂く。そこで今回スポットを当てるのが、格闘ゲームを中心に主目的として設定されている、対人戦だ」
「ここまでが前置きとかやりすぎです」
「まぁそう言うな。対戦格闘というジャンルかつ対戦台というモノがある以上、対人戦での勝利を目指すのが、ゲームを楽しむ筋としては真っ当だ、という所まではOKだろう?」
「何事でも勝負に勝つ、というのは目的になりえますよね。カードゲームにしろボードゲームにしろ。ゲーム開発陣も対戦を楽しめるようにゲーム製作しているはずです。……クソゲーでもなければ」
「対戦バランスのよさで言えば多分バーチャが一番無難なんじゃないかなぁ。ストリートファイターシリーズはああ見えてバランスがクソってる場面が多い。逆にジョジョ北斗の拳のように狂ったバランスの上でバランスが取れるという稀有な例もある。原作付きで信者が多いのもそういうやり込みを助成している感はあるけれどね。まぁそういうシステム面はさらに後述だ。……そこで昨日のエントリにかかるのだが、勝利のみを追求すると、さてどうなるという話になる。まずはユーザーレベルの例えをするとして、幼稚園児と全力で対戦したらどうなると思うかね?」
「……まぁ、まず負けないでしょう。でもそれはレベル1で倒せるボスと変わりません」
「ごらんのありさまだよ!という訳だな。程度の違いはあれ、勝利自体は簡単なんだ。弱い相手を見て入ればいいだけだ。極端な話自分で2クレジット入れればパーフェクトに勝てる」
「それはそうですけれど、空しいですね」
「極端に弱すぎる相手はCPUと何も変わらんただの作業になってしまう。それと同様に強すぎる相手というのもまた同様の結末をもたらす。つまり目的とするに相応しい勝利というのは、自分と実力が拮抗している相手への勝利、となる。しかし、ここはかーなーり難しい所でな。自分の強さに丁度良い相手、という判断の方法がない、という事だ」
「動きやコンボで多少は判るとしても、自分と実力が同程度かどうかなんて、それこそ対戦してみないと解らないでしょうね。バーチャや鉄拳は一応段位とかありますけれど」
「アレも結構いい加減なんだよ。むしろ罠にもなりやすい*9。まぁ、指標がある分マシ、という意見はあるがね。じゃあ、群雄割拠の中で自分と同程度の相手を見つける為には……どうすればいいか解るな?」
「すみませんさっぱり解らないです。友達と始めるとかですか?」
「答えはな 強 く な る *10だよ。自分と同じくらい下手な奴を探すより、自分の能力限界ギリギリまで強くなった方が相手は多いし、同レベル帯の人間も多くなる。幸い、ネット社会の今ではコンボから対策まで探そうと思えばある一定の所まで強くなるのはそんなに難しくは無いんだ。まぁ、本格的に1から始めるとなるとちぃっとばかし辛いかもしれないけれど。まぁ真の素人向けコンテンツを作成してもいいと思う程度には辛いとは思う。諸兄はまずは友人を頼ると良い。そうしてある程度……例えば基本のコンボを覚えたあたりでもいいがゲームセンターに繰り出してみるといい。すると」
「……すると?」
「もれなく狩られる」
「ダメじゃないですか」
「バカモノ。最初にどれだけ練習していても、初陣勝てる奴なんてほとんどいないぞ。しかし、絶望するのはまだ早い。狩られた瞬間から君の目標は、対人戦の曖昧な勝利から、『ヤツ』に勝つ!に変わるだろう。なにしろ負けているのだ。少なくとも相手が自分よりも上手なのは間違いない。皆お得意のマゾゲーの始まりだぜ」
「ふむふむ。つまり、
1:相手には対戦乱入してくる意欲があり(以後こちらから乱入しやすくなる)
2:自分よりも強い相手
3:リベンジという大儀名分も立つ
4:近場のゲーセンなら常連の可能性も高いでしょう。再戦出来る可能性も高い。
と、美味い事づくめという訳ですか」
「こいつ……頭いい……。お手頃な目標を手に入れて、その相手に対策する手段を探す。まぁ格闘ゲームの基本はこのサイクルが続くという事になる」
「目標となる相手も人ですからね。こちらが練習している間に当然相手も練習したりするでしょうし、追い付き追い越せ、という理想的スタイルになる訳ですね」
「完全に勝ち越せるようになれば他の相手を探せばいいし、また複数人ですくみ合うという構図もある。……とは言ってみたもののここまで上手く事が進む訳は無いけどね−。最初は本格的にフルボッコにされて涙目になる日々が続くとは思う。話が膨らみまくって来たので少しまとめるが、格闘ゲームというのは明確にライン分けされた目標を目指すのでは無く、有象無象の対戦相手に勝つ為に色々思考を巡らせたり、対策を考えたり、コンボを練習したり等の、手段を楽しむ、という事になる」
「家庭用ゲームと違って相手によっていくらでも難易度は変わりますしね。まぁ選べませんけど」
「それもアーケードの良い所だと愚考するね。100円でも50円でも払ったプレイに俺は全力を尽くすぜ!負けてたまるかぁ!という切迫感もある。対戦相手がすぐそばにいるって言うのも最初はすごく緊張して足が震えたりするもんだよ。これは家庭用では味わえないマゾさだよ」
「家庭用ユーザーからすれば何無駄に金使っているんだろう−ってなりますけどね。特にオンライン対戦搭載のゲームも多いですから」
「個人的にはオンライン対戦は非常に有意義だとは思うが、やはり現金1プレイでゴミ屑のように負けたりボロ雑巾のように転がしてやる方がアドレナリンの量が違うんだよなぁ。すっげぇ細かい事を言うとオンラインは遅延が気になる。サギ判定で負けても、無料だし仕方ないか、という消化不良になりやすいんだよ。それでも、アーケードよりも多数の人と対戦出来てお金も使わない家庭用は補って余りある魅力があるけどね」
「そのあたりは人の好み、って事になるんですかね」
「人それぞれ、などという凡弱なオチは避けたい所だけれど、こればかりは時代の流れだね。しかし、最新作がプレイ出来て攻略やコンボ研究が盛んなのは当然アーケードだ。そのライブ感もオススメだぞ!
とにもかくにも。格闘ゲームの楽しみかたの方向性は軽く理解して頂けたかと思う。他のゲームより、潰しが利くジャンルでもあるので苦手だったり初心者の方が興味を持つ一端になってくれると嬉しい。初心者向け講座はリアルに考えている。
……まぁまたずいぶん長くなってしまったので補足でもう一回時間を頂くとしよう」
「塗仏の宴はどうしたんですか?友人からリリエンタール感想も書けよと催促されてますけど」
「塗仏は上巻が行方不明で捜索中。リリエンタールは……今シリーズが感想書きづらくて……善処致します」
「相も変わらず適当放置投げっぱなし大好きですねー」
「そういうblogだからな!(開き直り)そんな訳で補足編に続く予定だ」
「だそうですのでもうしばしお付き合いください」
「ノシ」

*1:ベリアルエッジィ:CSでのラグナ追加技。空中214C。エリアル中にフルヒットで地上Dが入ったりする謎性能。これによりまだおわりじゃねぇぞ締めコンボが増え、謎の起き攻めループで解らん殺しバンバン連打!と相成った。

*2:強キャラ宣言:アレはずるい、という意味ではなく、俺TUEEEEE!!!!111!という意味合いで使用。全体的なキャラバランスを見て、自キャラをそう認識する分には特別問題は無いが、大抵の場合、自分で使った事がなかったり、初心者を強判定の技で一方的にボコったり、ボコられた人が使用する事となり、かなりウザイ発言となる。前述の初心者狩りと相まって一般的な強キャラを言及するのは非常に不毛で面倒くさい。

*3:格闘ゲームにキャラ差などない:まぁ普通にキャラ差はある。極論をすると、もし君がプレイしていてキャラ差に不満があったなら、不満が無いキャラを選ぶと良い。強キャラには勝てない、と思ったら強キャラを使うといい。キャラ選択の時点からゲームは始まっている。そこに、自分の持ちキャラ、などという自己を絡めるからキャラ差で負けた、などという台詞が出てくる。それはお前、自分で三輪車選択しておいてバイクには勝てない、とか言うなと言いたい。三輪車でバイクに勝てる面を見つけようとあがき、対策を練る、というのであれば、目的がしっかりしている上に難度も高くマゾゲーマー向きの重要案件である。……まぁ、どっちかっつーと本体性能が乗り物でキャラは燃料ですけれども。むしろ本体の差は1戦2戦ではどーにもならないので、2、3連敗するようならその相手はかなり格上の証。一度引くべきだというのが持論。キャラ差、システム差というよりも、進んで対策を考えましょう。兎角。最近の格闘ゲームでこんなことを冗談でなくマジで言ってるヤツはもう少し腕を磨くか、キャラ変えるか、ゲーム変えた方がいい。

*4:モスクワより〜:総統参照

*5:身体能力にしか依存しない:まぁ、どんなゲームもある程度は身体能力ありきなので、反射神経、入力の正確さは、どんなゲームでもほぼ間違いなく必要になる。御年を召されるとこのあたりから衰えてくるので、私もゲーム引退頃合かのう、と哀愁に浸るという

*6:積み重ねが〜少ない:最近はアーケードでも家庭用のように色々記録できるモノも増えている。しかし、そうなると新規プレイヤーにはまた敷居が高くなり、アーケード独特のお手軽感、というのが目減りするという。あまりアーケード市場として手放しに嬉しい要素でもないのだが、まぁこれも市場の流れである。顧客単価の高いコアユーザーのの為の処置であるのは間違いない

*7:Wiiは正直やばい。あれはアーケードの意味を根こそぎ奪いかねんポテンシャルがある。今後のアーケードはWiiよりも面白いか、(とっつきやすいか)がある種のボーダーになるんではなかろうか、と愚考する次第。がんばれ開発陣!

*8:覚えるまで〜慣れるまでが辛い:実際どんなものもそうではあるのだが、もはやゲームセンターの代名詞とも言われるジャンルでは歴史が長くなりすぎて、基本コアユーザー向けの設定になっている。新規で初めてすんなりと入れる人は稀だろう。一応、業界も出来る限りライト向けに、と努力はしているっぽいが……。

*9:段位、とは言うが、全国レベルで見ると玉石混合である。ただし、該当ゲームセンター内部の強さランク、という意味で見れば大分と信頼度は高い……かも。自作などもあるので、あまりびびったり、楽観視するのは宜しくないが、相手が同段位なら比較的気軽に対戦できる、というメリットはある

*10:強くなる:言うのは簡単だが……、とお思いの諸兄もいるかも知れないが、正直一人プレイである程度まで実力を上げる方が対人戦で揉まれるより100倍楽。楽しいかどうかは置いておくとして。対人戦でほぼ全敗なのにモチベーションを保てる奴は非常に稀。対人戦でしか培えない技術はあり、それが無ければ勝てないのではあるが、それでもそれ以外もクソではまずお話にならない。対戦で勝利するための筋、くらいは一人で分かるレベルまではなんとかなって頂きたい。格ゲームの筋については後述