13/04・05号週刊少年ジャンプ感想をお休みしております。

風「と、言うわけでジャンプ感想を盛大にスルーしたわけだが」
向「まぁ動画なんか作ってるから時間が無かった訳なんですけどね」
風「地味に忙しい時期ってこともあるかもな。年末も忙しそうで、まとめが年内に上がるかどうかも難しい感じではある」
月「それはともかくなんで全員集合なわけ?」
臨「お久しぶりですね〜」
風「今回はちょっとした議題があるので、四人居た方が展開が楽かと思ってな。というわけで今週はジャンプ感想を置き去りにして、この話題をやる」


ニセコイのヒロイン勢について。

向月「「すごく! どうでもいい!」」
風「まぁそう言うな。今ジャンプで一番熱いラブコメと噂のニセコイだが」
月「熱いも何もラブコメ今一個しかないじゃない」
向「つまりはそういう事です」
月「お察しください、ということね。了解」
臨「え、えぇ〜」
風「ニセコイのヒロインは比較的ビジュアルというよりも、性格……砕けて言えば一条くんに対する態度や感情に応じて区別されている、ように思う」
向「ふむ。千棘さんなんかは典型的なツンデレヒロイン……主人公に好意を持っているが素直になれない、ってキャラですね」
月「そういう意味だと鶫ちゃんなんかも同系統のキャラだと思うけど?」
風「最初はキャラ被ってんだろう、とは思ったが、最近の展開で千棘さんが一条くんへの好意を自覚しだした事でその辺は多少変化があったんではないかね?」
月「うーん。千棘ちゃんと違って鶫ちゃんは主人公への好意を否定している、とかそんなんかしら? 高度なツンデレ?」
向「何が高度なのかはさっぱりですが、まぁ否定しながらも意識している、というのは多少千棘さんとはタイプが違うんじゃないですかね?」
臨「え〜っと、と、いうことは今週出ていた万里花さんは、一条さんへの好意を前面に出している、って感じですかね〜?」
風「うむ。そして我らが小野寺さんは好意を持っているがそれを秘めている、とそういう事になる。ビジュアル面で変化がないとは言わないが、どちらかというとそういう性格、中身の変化の比重が大きいようには思う。っていうかおそらくいちばん重要なのはそんな彼女らに対する一条くんの態度だとは思うが」
月「あー。小咲ちゃんには好意全開で、千棘ちゃんには嫌われてると思ってたし、鶫ちゃんには無関心……っていうか友情、とかなのかしら? そして逆に橘ちゃんには好かれている、と」
風「ラブコメに置ける重要な要素の一つに、読者の恋愛シチュエーションに近いキャラクター配置をする、というのが有ると俺は思っている。だから片思いをしたり、嫌われていると思っていたり、友達だと思っていたり、気づいた時には好きになられていた、っていうのは恋愛のパターンでもあるんではないか、とつまりはそういうことだ」
向「なるほど。だから主人公の態度は千差万別なものの、ヒロインは一貫して一条くん大好き、という話になるわけですか」
風「色恋沙汰がちょろくないってのは当然だが、読者に感情移入させるための想い人のアバターである彼女らが、主人公を好きになってくれなかったら、悲しいだろう」
月「例えば小咲ちゃんへの片思い、ってシチュエーションを提示して、感情移入させるのは良いけど、その相手が主人公に好意を持っていなかったら最終的なビジョンは失恋だものね」
風「最終的にニセコイがどうなるかは別としても、想い人は自分を好きじゃなかった、なんて展開に感情移入出来るほどジャンプ読者は恋愛玄人じゃないだろう。人はいつだって誰にでも好かれていたいものなのだ」
臨「う〜ん。でもやっぱり最後には誰かと結ばれる〜っていうのが恋愛漫画だとは思いますけれども〜」
風「何も最後まで全ての読者が幸せにならなくても良いんだよ。さっきも言ったが恋愛はうまくいく事の方が少ない。だから過程で希望を持たせておいて、最後は悲恋に終わるという展開でも、それはそれで読者に取って親身になれる展開でもあるという事なのだ。該当するヒロインをガチで好きでいた読者にとっては悲しい展開かもしれんが」
向「恋愛のパターンを提示する事で多くの人に感心を持って貰い、悲しさを共有する事で更に共感を呼ぶ。一人の相手しか選べない恋愛漫画に置いて、複数のヒロインを出す事にデメリットは実はほとんど無い、という事ですね」
臨「なるほど〜」
風「まぁ知った風な口を聞いただけではあるんだがな」
月「るりちゃんはどうなるのよ?」
風「……ギャルゲーにメガネキャラは一人はいないとな」
向月「「おいw」」


ユーアーザ・ヒーロー。

風「って訳で続けて行こう。最近ジャンプでスポーツ漫画が複数連載しているが、そのパターンも中々趣深いと思ったので今回取り上げる」
向「スポーツ漫画、っていうと、ハイキュー! 黒子のバスケ、クロガネ、とあとはクロス×マネジあたりですか」
月「クロス×マネジは最初はスポ根かどうか微妙だったけど、今の展開はマジでスポ根よね」
臨「ハイキュー! すっごく面白いですよね〜」
風「ラブコメ同様、スポ根も基本的には読者の共感や羨望を得る為、エースを配置する事になる。まぁスポーツはやっぱり競技なんで、勝つ為にもこちらがわに強みが無くてはならん、という事でもあるが」
向「エース不在で勝つ、というスポーツ漫画も中々面白そうではあるんですが、展開難しそうですしね。ほら、クロスマネジとか」
風「この辺はクロガネが恐らく一番分かりやすく、ヒーローに憧れる少年が、剣道……スポーツを通じてヒーローになっていく様を描く訳だ」
月「スポーツにあこがれてそれを初めてエースになる。まぁ部活やる人間なら誰でも憧れる展開よね」
風「うむ。だからクロガネは今のジャンプでは非常に理解しやすい漫画だと思う。主人公が努力して、実は才能があって、負け知らずのエース、ヒーローになる。仲間もそれに従って強いヤツらで、皆で全国優勝に向けて頑張るぞー、という感じだな」
向「棘がある発言のような気もしますが、スルーした方がいいんでしょうか?」
風「いや、スルーせんでもいい。だがぶっちゃけあの漫画、主人公側にヒーロー過剰過ぎるだろ。前の試合も、今回も先鋒次鋒で試合勝ちすぎじゃねーか?」
月「負け要員が居ない、って感じはするわよね。それだけキャラが大切にされている、とは思うけど」
風「剣道の試合形式が形式だからしゃーないとは思うんだが……それは補欠要員を用意して、レギュラー陣をシフト制にすれば良い話であって。その辺決して素晴らしいとは言わないが、テニプリであれば手塚部長は最強過ぎるエースであるが、怪我で出られないのであのチームレギュラー地味に多かっただろう。っていうかそもそも越前が控えだったし」
月「クロガネ怪我したエースは毎試合頑張りまくってるものねw けが人よりも優先度の低い2年先輩ェwww」
向「アフロとキノコとデブは犠牲になったのだ……イケメン補正の……その犠牲にな……」
風「んで逆に。ヒーロー、というかエースが居ないでなんとかしよう、としてるのはクロスマネジだろう。描写は薄いが絶対的なエースというよりも、皆の特技を生かしたマネージャー戦略で勝利する、そういう筋な訳だ。実際対比として、ライバルチーム? には絶対的エースが見えてるしな」
向「エースのワンマンチーム対、連携重視の仲良しチーム、って感じでしょうか?」
月「結構面白そうなキャラは多いから、しっかり専門性が出てくると化けるんじゃないかしらね」
臨「クロス×マネジはみなさんすっごく個性的な人たちですもんね〜」
風「まぁその個人個人をしっかり魅力的に描いて、成長と個性の方向性まで描写するのは至難の業だとは思うんだが。そして逆に、チームってのは絶対的なエースで成り立ってんだよ、というのを開け広げに描いているのが黒子のバスケだ」
月「そりゃキセキの世代は完全規格外、って感じだものねぇ」
風「スポーツモノの基本、ダメな奴でも頑張ればなんとかなる、を真っ向否定だもんな。個人的には、あれは正直しびれるくらいに誠実な漫画だと思うよ。才能のある選ばれた人間しかエースにはなれない、ってんだからな。実際問題、キセキの世代、もしくは火神の相手になるのは、同じくキセキの世代か火神しかいない。間違っていたらスマンが、キセキの世代にその他メンバーが対抗できているような描写は一切ないはずだ。無冠の五将なら多少はあったかもしれんが」
臨「それが誠実、なんでしょうか〜……?」
向「誰でもエースになれるっていう訳じゃない、って描く事自体が難しいというか、書きづらいですからね。それをふっ飛ばして、化物は化物なんだよ! と初っ端から明確に描いているっていうのは凄いことだと想いますよ」
風「黒子のバスケはただそれだけじゃなくて、その圧倒的なエースには叶わないと知りつつも、それでも足掻こうとするその他メンバーの描写がしっかりしていることだ。相手にはなっていない、なっていないが、それでも諦めない。クロガネならフェードアウトしているようなキャラクターが今も一線で戦っている。そういう所が俺はすごく好きだし、またこれが永遠にキセキの世代には叶わないままなのか、それともどこかで一矢報いるのか、そういう所にも非常に注目している」
月「決勝なんかで控えがワンポイント活躍、なんてありきたりだとは思うけど、黒子のバスケで最後の最後で普通のメンバーの誰かがキセキの世代に勝ったりしたらちょっと感動しそうよね」
向「ヒーロー、エースっていう存在が論理能力化している、ってところでしょうかね」
風「そして最後にハイキューだが、この漫画はヒーローと、エースが区別されているのが白眉だと思う」
臨「ヒーローと、エース、ですか〜?」
風「バレーっていうスポーツの形態にも関わってくるが、チーム戦では一人が強い事がすなわち勝利になるわけじゃないからな。チームメイトそれぞれに長所と短所があり、それを補うようにプレーをする。話数によって、しっかりメインのキャラが決まっているっぽいのは解るだろう?」
向「一応頭ひとつ飛び抜けてるっぽいのがノヤっさんですが、サーブ、レシーブ、トス、スパイク、ブロックと順序良く目立って来てはいますよね」
風「まぁつまり、エースは確かに東峰さんで、得点力は一番あるが、彼がヒーローという訳ではないってこった」
臨「旭先輩はえ〜っと……こう、渋いキャラですからね〜」
月「まぁ旭先輩はヘタレキャラだもんねぇ」
向「東峰さんェ……!w」
風「場面場面によってヒーローが変わる。逆に言えば誰もがヒーローになれる。ハイキュー! はそういった趣きが強いんじゃないかな? いや、まぁ変人速攻とか完全にアレだけどさ」
向「完全にアレですよねw」
月「アレよねw」
臨「アレってなんですか〜?!」



風「まぁそんな訳でニセコイのヒロイン像や、今のジャンプスポーツ漫画のヒーロー像なんかは色々形があってオモシレーなぁ、とかそういう感想代行である」
月「普段は漫画並べて考えたりはしないから、それなりに刺激にはなったんじゃないかしら?」
向「普段からこういう事でちまちま更新しろよ、という気がしないでもないです」
風「まぁそういうな。って訳で今回はここまでだ。年末前にまとめを上げたい所ではあるが、無理そうなら来年まとめだなー。本来ならクリスマスにまとめ上げるつもりだったんだが。まぁともかく今回はここまでだ。それでは、また次回」
臨「はい、それでは、また〜。ノシ」