ミミズクと夜の王［紅玉いづき］

というわけで読書感想文です。
基本的にはネタバレする気満点なので気をつけろ！
しかしさすがにこれバレたら酷いなぁという場面は考慮していく予定。
第１３回電撃小説大賞の大賞受賞作。
帯の煽りがあまのじゃくな心を揺さぶられる所だが、たまには素直に騙されよう、という半ば投げやりな気持ちで購入するという博打系の買い方。

以下感想。
レトロチックな世界観で帯の推薦文にもあるように真っすぐで綺麗なお話。
序盤、主人公ミミズクの愚者としての扱いが正統派すぎて、私的にはにやにやしたり。
綺麗に、っつーか綺麗過ぎるくらいに綺麗に終わる物語。作者後書きを参照してしまうと、安い物語であるとも言えそう。後半の文章がやや場面展開が早いと感じるがすんなり読めました。
しかし、ラスト付近のミミズクの精神的というか、むしろその言語的な成長だけがちょっと気になったり。
愚者としての特徴付けであったろうやや足りない言葉遣いが最終場面でやたら饒舌なのは少し哀しいなぁ……。
推理小説ばりに片っ端から片付く物語は小説読み始めの人には良いかもしれない。少し物足りなさを感じるものの大勢の人に理解して貰えそうな解り易さがそこにはありました。

評価：C+