唐突だけどギリシャ経済問題に首をつっこんでみる。前編。

→次回。唐突だけどギリシャ経済問題に首をつっこんでみる。中編。
「という訳で今回は話題のギリシャ経済危機について理解を深めたいと思う」
「最近ニュースでよくやってますよねぇ〜。経済支援がどうとか〜」
「唐突ですね。経済とか門外漢ですが大丈夫なんですか?」
「ぶっちゃけ誰でも理解できる説明が出来るくらいには理解しておきたい問題ではあるんだよ。……ディフォルトっていうと、わが国の隣国もうわなにをするやめr」
「っていうか、そもそも経済危機、っていうのは何なんですか〜? 不況が進んで、会社とかがたくさん潰れてしまう事なんでしょうか〜? よくイメージ付かないんですけれども〜」
「ま、まずはそっから説明しなきゃならねーだろうな。簡単に経済の基礎はやろうと思うから付いてくるように」
「どれだけ正確に説明できるかも結構不安なんですがね。まぁやってみましょう」
「ご指導ごべんたつのほどよろしくおねがいいたします〜」
-−−−経済って何ぞや?−−−
「まず。理屈云々はおいておいて、今の日本っていう国をどう見る? 当然経済的にだ。貧乏、金持ちとかイメージでいいよ」
「う〜ん。不況不況言われてますよね〜。借金も何兆円もあるらしいですし、日本て貧乏なんですかね〜?
「貧乏? ありえねー、ありえねーw」
「ヤンバレンタイン自重してください」
「ああ、すまんすまん」
「不況不況言われてますけど、まぁ今のところ世界中がそんな感じですからね。日本は相対的に見て相変わらず金持ち国家で良いと思いますよ」
「ふむ、いくら不況といわれてても、比較したら相変わらず上位だろ、という考え方、それは経済学的に中々良い考えだと思われるね。まぁ門外漢の戯言ではあるけども」
「テレビとか新聞だと不況不況で日本は終わるーとか言ってますけど、他の国と比較したらまだお金持ちなんですか〜?」
「2009年国内総生産GDP各国比較で言えば日本は2位ですよ。ちなみに1位はアメリカ、3位は中国です。ほい、ソース。
「ほぇ〜。ちょっとグラフ見てみましたけど、アメリカすごいですねぇ〜。日本の倍以上っていうか、3倍くらいですか〜?」
「最近マジで中国上がってきてるなぁ。上昇率がパネェ。なんだよ、年10%とか。逆にアメリカも2005年当たりから減少傾向だ。個人的には韓国wwwっうぇwww しかしドイツを中心にヨーロッパは安定してるなぁ……。あー、話を戻すと。俺は日本をクソ金持ちの舐めた国だと思ってるね。軍隊もたねー、同盟組んでも援軍派兵もしねー、その割には金持ってて経済力あって、国防は世界の警察(笑)に任せてるから武力で脅せもしねー……。こう見るとマジでクソ国家だな日本。弱点と言えば資源が無いっていう事と、共産国家に囲まれまくってるから資本主義極東基地で哀れって、所か。でもそのおかげでアメリカ様と手を組めてる訳だから一長一短……か。日本情勢は複雑怪奇なり
「クソ国家かどうかはわかりませんけど、手を出したいけど出せない、的なもどかしい奴かもしれませんね。武力で脅せば一発KOの美味しい国っぽいけどアメリカが邪魔過ぎる、というかなんというか……」
「そりゃ日米安保で揉めるよ。アメリカ様が軍隊引き上げる、なんて冗談でも言わせられねーもん。また話が逸れたな。まぁアレだよ。確かに不況だけど、比較対照すればまだまだ日本は裕福な国なんだよ。失業者が増えているのは確かに問題だけど、国家の補償もそれなりにあるから、失業=即死、にもならないし、そもそも職も選ばなければ数多ある。職業人気が偏り過ぎてんだよな。ま、今から話す事にはあまり関係ないんで省略だ」
「これもほい、ソース。借金も900兆円に届くかどうか、という感じですが、まぁ、これも確かに駄目なんで、何かしらの新しい収入か、大きな支出変化が無いと困るので、今事業仕分けだとか、消費税増税とかやってるんですけれど、国債が約9割……つまり国内、自国民への借金ばっかりですからね……」
「ほぇ? 借金って何か違いがあったんですか〜?」
「あまり詳細を言うと長くなりますので簡素に。国債っていうのは自国民からの借金ですね。強引に例えれば家族からの借金。世帯として……つまり国としての資産は増減しません。当然本人、政府としては減りますけどね。他には支払い締め切りが1年未満の短期借入金と、支払い期限が1年以上先の長期借入金。これは金融機関から調達したもので、まぁおおよそ他の国への借金が該当します。……と言い切りたいんですが詳しく調べてませんのであまり下手な事は言えないんですけど。一応注釈には国内外の借入金の合計、とはありますので、表示よか国外への借入は少ないのでしょうけれど。さて。国外への支払いっていうのはそれ自体が国のお金が減る事になりますので、これが多いともう目に見えて駄目なんですが、国内向けの場合、国自体のお金は質量保存の法則よろしく変わらないので……まぁこれも度が過ぎると政府の運営が駄目になったり、インフラが落ちたりするのでやっぱり駄目なんですが、それほど可及的危機か、と言われればそれなりに甘く見積もれる借金です。……甘く見積もってたからこんな額になる訳なんですが」
「さっきも言ったけど、日本は金持ちなんだよ。国が金持ちって事は国民も金持ちなんだ。それに投資出来る時には借金してでも最大限投資するのが投資のセオリーだからな。これだけ借金が増えた原因として、端的に言えば政府の投資の引き際が潔く無かった、って感じではなかろーか、と思考する次第。まだ成長すんだろ、的な考えはバブリー経験者なら誰でも持ってるんじゃねーかな」
「投資すれば発展する、だから多少不景気でも頑張れ、と好意的かつ恣意的に捕らえればそういう言葉遊びも可能ですね」
「という事は逆に借金依存体質だ〜、って言うことも出来る、って事ですか〜?」
「ま、その辺は臨機応変に」
「それはともかく、世界的に見て日本の銀行利率は最低レベルだ。これは国内からみると景気の衰退の兆候に見えてしまうが、国外からみると日本の”円”の価値が安定している、っていう意味でもある。要は日本円にしてれば価値の変動が少ない、ローリスクな通貨だと世界的に思われている、と日本が自覚しているという事なんだ。が……実はアメリカ様の都合っていうのも間違いなくあるんだけどな。まぁ省略する。国外から日本に資本が入りやすくなる、って事は投資力が増えて景気も上向きになる、っていうのが理想図な訳。でも国内から見れば預金しても全然意味無くなるから、株式投資だとか、国債などのより利率が良いモノが売れるようになるのだ。国債が増え続けるのもある意味自然の摂理なのだよ」
「ほむほむ。銀行に預けるんだったら国債を買った方が利息が多いんですね〜。定期預金みたいな感覚なんでしょうか〜?」
「重ねて言うが、世界的に見て日本の円や、国債の価値は非常に安定しているからな。退職金などを預金感覚で投資してるっつー話もよく聞く。しかし国外への投資はやめといた方が……話がまたとてつもなく飛んだので、戻すぞ。んで、だ結局のところ、経済力っていうのは、どれだけお金を持っているか、っていうことなんだけれどもこれは若干語弊があってな。正確に言うとどれだけ”価値のあるお金”を持っているか、っていうことになるのだ」
「価値のあるお金、ですか〜?」
「これは逆を言えば解りやすいでしょう。例えば有名どころだと、ジンバブエドルですね。ジンバブエは独立のごたごたで旧支配者層の資産海外流出が止まらず国内の紙幣価値が激減、年率2億3100万%という超インフレを起こしました。この結果、ウン億ジンバブエドル、何兆ジンバブエドルという額を持つ一般市民が増えたわけですが、まぁそれだけのお金でもテレビ一つ買えないという有様。さて、この国はお金持ちなんでしょうか?」
「なんだか、ニュースでありましたよね……札束のブロックで遊ぶ子供〜、みたいなニュース、見たことありますよ〜。お金に価値がなくなりすぎて玩具にするくらいしかない、っていうことですよね? それはお金持ちとはいいませんよ〜」
「ま、物理的にお金”持ち”ではあるがなー。そもそも、だ。俺たちの持っている日本円自体には本来価値は無い。まぁ紙とインク代の絞りカス程度の価値はあるかもしれんが。でだその日本円で俺たちがジュースを買ったり、パンを食べたり出来るのは、日本政府がその”円”に一定の価値を『保障』してくれているからなのだよ。この保障という奴がキーでな。昔はこの保障を、国が持つ『金』といつでも交換してやんよ、俺やってやんよ、という事で紙幣の価値をつけてやんよ、っていうのが原初の流通通貨経済だった……説明が長くなってきたので簡素に頼む」
「投げやりですね! まぁすげぇ簡単にシミュレートしましょうか。僕はパン、貴女はお米を作る仕事をしていたとしましょう
「え〜、わたしパンがいいです〜」
「じゃあ僕が米でいいですよ!w それはそれとして、僕達は年に1度だけお米やパンが取れます。適当にやりますけど、パンは春に、お米は秋に取れるとします。それぞれ4つ取れて、1個で1つ季節を過ごせるとして下さい」
「えーと、つまり私は毎年春にパンを4つ取れて、それで生活できている、って事ですね〜」
「僕は逆に秋にお米が4つ取れて、それで一年過ごせます。自給自足。これが超古い時代の生き方ですね。むかしはこれを村とかそういう小さい単位でやってました。でもそれでは飽きてしまうので、僕達はお互いにモノを交換することにしましたパン2つとお米2つを交換して、パン、米、パン、米と食事のサイクルが出来るようになって僕達はお互いに裕福な食生活を送っていたとしてください
「はい、了解です〜!」
「パンと米で裕福か?」
「シミュレーションですから。話は若干わき道にそれますが、これが近代の生活ですね。村単位で生活を成立させるのではなく、村と村、都市と都市同士の交流で生活を成り立たせている。ま、今回はもう少しローカルな話ですが」
「工場制手工業、マニュファクチュア、って訳だなー。ま、今回の話には直接関係ないな」
「というわけで場面は変わり。ある時の春は異常気象で、パンが3個しか取れなかったとしましょう。逆に秋は豊作で、米が5個取れました。でもそうすると、パンとお米の2個づつの交換では、貴女は1年過ごせなくなってしまいます」
「ど、どうしましょう〜? お米が豊作だったのなら、譲って欲しいところです〜!」
「まぁ、僕としても貴女に餓死されるとパンが食べられなくて困るので、お米を譲るのはやぶさかではない。ですが貸しだからな! と口頭で約束しただけでは、貸し借りが不明瞭。ですが契約書を作るにしても来年の春に豊作だという保障はありません」
「ここで俺の出番だな。俺は倉庫を持っていて、皆からあまったパンや米を預かったり、交換したりしている。そこで俺は”クレジット”という仮の札を作る事を提案する。この札は1枚、つまり1クレジットで、パンかお米か1つと交換してやろう、と言うのだ。極端にいえば預かり証だな。で、後でパンで返せよ、ということで君に1クレジット貸してやろう。俺は余裕あるからとりあえず返してくれれば期限は何時でもいいとする」
「ありがとうございます〜。これで一個お米をと交換すれば今年は生きられますね〜」
「で、僕は1クレジットとパン1個とお米2つを交換しましょう。僕も豊作でしたので、クレジットを即座にパンに変えても食べ物を家に余らせる事になってしまいます。それだったらその”クレジット”を保持しておく事で、いざという時の為に食べ物の保障を持っておこう、という訳です」
「保障大好きだな」
「人間は何にでも保障が欲しいものなんですよ。で、また次の春になると今度はパンが超豊作で、7個も出来ました、と」
「それはすごいですね〜! じゃ、倉庫に借りた分をお返ししますよ〜」
「ん? 何1個とか舐めた事言ってんだ? 返す時は倍返しだろうがー! 2個よこしなー!
「利率100%とか真っ黒すぎるw ともかく。これが、利子、って奴ですね」
「ええ〜! そんなこと最初に言ってくださいよ〜! ……うむむ、まぁ今年は7個も出来ましたし、辛い時に助けてもらったからいいですけどね〜……。ついでに余った1個も売ります〜」
「んむ、では確かにパン3個は頂いた。では1クレジット渡すぞ。まぁそうやってパンをしっかり作ってる間はヤバイ時は助けてやるよ。俺は何も作って無いんでな。こういう交換を色々な人との間でやっている、としてくれたまえ」
「ふむふむ〜。そうやって足りない人にモノを貸して、貸したものの利子で生活してるんですね〜」
「うむ。だから俺は何も生産しなくても生きていける、という事だな。後、預かったモノを貸したり、売ったりもするぞ」
「え〜! それじゃ返すときに困るじゃないですか〜」
「そもそも俺は物の余りを取り回してる訳だからな。保存しているもの全部がすぐに必要になるっていう訳じゃない。必要になった時に渡せるものが手元にあれば良い。だから多くの人と多くの物を取引する必要が出てくるんだがな。最初に君にクレジットを貸したのも、より取引の幅を広げたい、そういう思惑から来ている。人は親切だけでは行動しないんだぞ?」
「ふむむ。なんというか、上手く立ち回ってる〜って感じでしょうか〜」
「という訳で、これが俗に言う銀行の役割という事だ」
「ほぇ〜。銀行はみんなの余りを預かって、足りない人に貸して、その利子で稼いでいる、って事なんですねー!」
「ま、俺がやってたのは極々単純な中央銀行だから市中銀行とはまた流れが違うんだけど……ま、ニュアンスとしては解りやすくていいだろ」
「と、まぁここまでが通貨の誕生の流れです。現品交換だけでは実際のものが無くなった時に困るでしょう? それに物々交換をするにしても何かしらの基準が無いと交換交渉で困りますからね。なので誰かが……この場合は倉庫に食料の在庫がある、ということが保障になって、その倉庫が決めた1クレジットに、食べ物1個の価値が生まれているわけです。ま、世の中単純ではないので、もっと細かく値段は設定されますけれどね。で、これが”円”になるとその”円”の価値は日本銀行が保証してくれる訳です」
「うむむむぅ、だんだん難しくなってきましたよ〜」
「正直、この辺の流れは超複雑なんだ。簡素化したシミュレーションでも結構面倒だっただろ? それ以上に実際の通貨の管理は非常に難しい。前述したが、実際に価値の無いものに価値を保証するんだからな。これは本当に昨今色々試行錯誤されて、失敗したり、うやむやになったり、成功したりを繰り返している。金本位制、とか授業で習っただろ? あれも貨幣価値の保証制度の一つだ」
「えーと、アメリカでニクソン大統領が云々とかですよね〜、わたしよく覚えてないんですけれど〜」
「ちょっと説明しましょうか。第一次大戦前後ですか。一時期アメリカドルの価値は、ドル一定と金との交換をアメリカが保証する事で保証されてました。以前はどの国も金本位制だったんですけど、経済操作がしやすい管理通貨制度、取引量や経済力などを考慮して各国が紙幣の価値を決めてたんです。今の変動相場制っぽい、くらいに覚えておいてください。でも今と違ってインターネットとかありませんし、第一次世界大戦もあって現金や手形のやり取りが成立しにくかった、と」
「それに比べて金本位だったら、あらかじめ国が1ドルは金何グラム分、ってのが決まってるからな。柔軟な体制は取れんが、そういう点でお手軽だったと言うわけだ」
「うにゃ? やっぱりよくわかりませんよ〜」
「金、というのはもう生産量がほとんど落ち着いていて、価値の変動がほとんどない鉱物なんだ。だからそのほぼ固定価値の金何グラムと、何ドルを替えようと思えばいつでも替えられるように保証するぜ! って言って、何ドルに金何グラム分の価値を強制的に付加したって訳だ。解りやすく実数値で言えば。100ドルで金1グラムと交換するって政府が言ったら、政府関連の銀行だったらいつでも100ドルで金1グラムに交換出来る。金の価値はほぼ不変動だから、100ドル持っているって事は逆に金1ドル程度の価値がある、って事になるだろう?」
「ほむほむ。価値が安定するって事は、良いことなんですよね〜? じゃあかなりすごい政策だった、って事ですか?」
「まぁ、確かにすごかったですね。逆の意味で」
「ほぇ?」
「金の価値は不変動でも、金の量は無限じゃない、って事だよ。金本位制世界に流通するドルの量が多くなりすぎて、政府が金とドルの交換を保証出来なくなってしまい、破綻した。例えばだ。キミが今パンを100個持ってたとして、1個1クレジットと交換するよ、ってキミが言うとする。で、まずは俺が10クレジット持ってきた。キミはどうする?」
「そりゃ、1個1クレジットと交換って言いましたから、パン10個を渡しますよ〜」
「じゃあ次に俺が、この流通は安定だな、ってなって色々準備してまとめて9000クレジット持ってきたら、キミはどうする?」
「えー? パンは後90個しかないんですよ〜? 9000クレジットも持って来られても交換出来ないです〜……」
「極端な例だが、そういう事がアメリカで起こった、と思ってくれ。前もって交換する、と約束していたはずの1クレジット=1パンの法則が崩れてしまうとなると当然だが1クレジットの価値が変動してしまうな。今回の場合、いくら俺が大量のクレジットを持っていても、パンの量が少なすぎるので、クレジットの価値は極端に下がるだろう。仮に俺がどーしてもパンが欲しくなって、10クレジット払うから他の奴より俺にパンを優先して売ってくれ! とでも言い出したら……いままで1クレジット1パンで交換していたパン屋さんは涙目になるだろうね」
「宣言した通りに取引が行えない訳ですから、当然クレジットの信頼性も下がります。こうなると需要と供給のバランス以前の問題で、クレジットを使わなくなる人も出てくるでしょう」
「ふむぅ……。つまり紙幣の量に対して保証する金の量が足りなくなった、って事なんですね〜。それで取引相手……つまり、アメリカ以外の国がアメリカドルに対して信用をなくしてしまった〜、と」
「イクザクトリィ。で、もうこれ以上金と交換できないんで、よろしく! って言ったのがニクソン大統領。その結果、アメリカドルはインフレを起こして価値は暴落。どこの国もアメリカドルなんて相手にしなくなってしまった、って訳」
「それ以前からアメリカには資本が集まってきていてドルは世界流通の基本通貨になってましたからね。戦時中の不安定さの中、金本位制アメリカドルの価値を安定させる事で乗り切ろう、というまぁ理論上は素晴らしい案だったと思います。しかし結果はご覧の有様。その恐慌っぷりったら目も当てられないものだったそうですよ。これが第二次世界大戦の遠因に……って言ってたらキリがありませんから、各自ブレトン・ウッズ体制だとか、ニクソンショック、でお調べ下さい。それ以後、金本位制をやろうという国はどこにもありません」
「ま、現状言えばドル本位制とかでも言うのかね。少なくとも日本はドル基本の世の中だ」
「と言う訳で。結局経済の一部を説明するにも政治やら戦争など、歴史やらに関わってくる、っていうのが少しは解ってもらえましたか?」
政治、経済、軍事は三位一体ってな。難しくもあるが、だからこそ歴史の勉強は近代史がおもしれーよなー。って話がずれてきたぜ。修正よろしく」
「ほぇ〜。難しい話ですねぇ〜。ところで、それじゃぁ、結局今の日本って、どうやって円の価値を保証しているんですか〜?」
「基本的には国内の生産力かなー。日本って国はGDPがどれだけあるんで、この位の価値はあるでよー、ってな。ニュースで円高ドル安とか言ってるのを良く聞くと思うがあれは変動為替相場って言って、円やドルの需要と供給に合わせて価値が変動するようになってる。日本が景気良いと思われれば日本円の需要が上がり、日本の景気が悪いな、と思われれば日本円の需要が下がる。まぁ、こういうのを世界の主な流通貨幣とやってるんだが……とりあえず意識するのは対ドルだけでいいかな。最近の動向で余力があればユーロも知っておきたいが……日本としてはドルがやっぱり最重要だ。というのもアメリカはその経済力の大きさから、ドルが世界基準貨幣じゃないと、アメリカ経済がお通夜しちまう可能性が高くてな。世界中でドルを流通を維持させようと必死なんだよ。需要がねーといつかまたドル暴落するかわかんねーから。特に石油とかの主要燃料の値段は軒並みドル表示だって事からも解るだろ? 中東なんて石油原産国はどれだけアメリカが憎くてもドルを使う。アメリカへの反発で俺はユーロを使うぞ日本ーーーーーッ! って言ったイラクは涙目になった」
湾岸戦争ですねー。あれ、フセイン大統領は結構本気で戦争が起きれば日本も妥当アメリカの為に立ち上がる!(`・ω・´) とか思ってたみたいですよ。敗戦後超文句垂れてたみたいですし」
「う〜ん……仮想戦記としては面白いけど、それは無理な相談だよなぁ……。それ系統の話で言えば昔、田中角栄って首相がアメリカドル以外の流通ルートで燃料を得ようとしたんだが、それもまたロッキード事件とか適当にでっちあげて……まぁその辺の話は暇があればだな。とにかく。世界経済第一位のアメリカ様が不況になると、なし崩し的に世界中が不況になる、特に日本は影響大。っていう事だけ覚えてくれればいいか」
「第一次せかいたいせん〜、きんほん位〜、変動かわせそうばせい〜、わんがん戦そう〜、……もう頭がぱんくしそうです〜」
「いい加減処理しきれなくなりそうなもんですけどね。一度休憩しましょうか」
「ううう、そうしてくれるとたすかりますよ〜」
「ともかく。今の日本の貨幣価値は外国、主にアメリカとの需要供給によって成り立っている。需要供給は当然だけど輸出と輸入の割合にかかる。日本はドルでの輸出輸入がメインだからな。えーと、日銀が公表してる為替情報だと……円とドルで取引総量の9割弱を占めてるのか? ……ま、最近はファンドとかいう、為替目的の連中も居るんで、ただでさえ単純でない要素に、利益重視の謎の意志、っていうのまで含まれてまさにカオス! って感じ。日本が良い商品を作れば、外国がそれを買う為に円を必要とするので、円の価値が上がり、日本が海外のモノを買いまくれば、円以外の通貨が必要になるので、相手通貨需要があがったりする。これもわかりにくい何か例えてやりたいな」
「などと言い募りましたけども。結局国内での貨幣価値はほとんど中央銀行の流通量操作だけでなんとかなるんですよね。よっぽど政府がバカじゃなければ。なので国内だけに目を向けて居ればその貨幣価値というのもあまり影響を感じないでしょう。特に日本の貨幣価値は比較的安定してますからね。ま、ちょっと前の円高時期には輸入牛の値段差で、外食産業が軒並み円高還元セールとかやってましたけど、まぁ大きく見積もってその程度ですね」
「うわ〜ん! もうよくわかんなくなってきましたよぅ〜!」
−−−
「という訳で長かったのでコレを前振りにして終了しようと思う。後編は最近の為替変動の超おおざっぱなまとめと、ギリシャ問題への結末へと向かおうと思う……前後編で終わるかな?」
「んー結構長かったですね。まぁ貨幣の成り立ちから教えてたら長くもなりますが」
「比較的解りやすくはまとめようと努めたんだが……実際全然駄目だな。多少は興味を持って貰えれば良い、程度には考えている。そもそも、前知識なんてミリも面白くねーし。本当におもしれーのは、経済の仕組みを簡単にでも知った事で今ニュースで何を言っていて、何が原因なのか、っていうのが少しだけでも理解出来るって所だしのぅ」
「まるで推理小説を読むような感じの楽しみかたですね〜」
「他にも最終結論として日本の経済力SUGEEE! 他国涙目www、っていう優越感に浸るも多少はあると思いますね」
「ま、幾ら勉強した所で、専門家でさえ5年後の経済は見通せないんだ。それほど意味のあるコンテンツでは無い、とは言えるんだがね。まぁ過去を復習して、未来に備えるっていうのは大切な事だと思うよ。人はほら、過去から学ぶ生き物だから」
「うむむぅ、なんだか綺麗にまとまってますけど、ちょっとまだ理解が足りないですよぅ。もっと簡単にして欲しいです〜……」
「なるべく簡単に、というのは次回でも考慮しよう」
「まとまってるかどうかはしりませんが、それではまた次回ですね」
「うむ。ではまた次回」
「ではでは〜ノシ」