唐突だけどギリシャ経済問題について首を突っ込んでみる。中編。

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「とまぁ日付が空いたらもうギリシャ危機とかそういう所の話じゃなくて、ヨーロッパ全土、いや世界同時株安危機とかになってきてしまった訳だけれども」
「なんていうか、すごいことになっちゃいましたねぇ〜。とうしょうへいきんかぶか? もすごい値段が下がってるらしいですし、アメリカでも株価が急落してるらしいですし……なんていうか、わたしとしては、もっと遠いお話なのかなぁ、って思ってたんですけれど〜」
世界は、つ・な・が・る。って事ですよ。前回もちらっと言いましたけど、モノの価値っていうのは相対的なモノですから。どこか一箇所が動けば全体が動いたり……まぁ動かなかったりもします」
「え〜。でも世界同時株安? なんですよね? 相対的ってことはどこかで何かの価値が上がっていないとツジツマが合わないですよ〜?」
「うむ。ちょー大雑把に書くと。
 1:ギリシャの経済危機(表層上の発端※決してそれ単体が原因ではないのでこれは注意) → 
 2:ユーロは危なそう(信頼低下) → 
 3:米ドル、日本円など他通貨にしておきたいな(ユーロ需要低下) → 
 4:ユーロ需要 > 他貨幣需要となる。(ユーロ価値下落) → 
 5:ユーロが値崩れすると、企業はやべーんじゃね?(市場信頼低下) →
 6:現金もってないと倒産怖いもんね、ボンビーボンビー(市場に流れる資産量が減る) →
 7:投資なんかしてる場合じゃねぇ! (現金需要 > 株式需要) →
 8:これが世界中で起こる。(株式価値下落)
 9:\(^o^)/(世界同時株安)
 という流れだなー」
「ま、ここにさまざまな思惑……貨幣価値を一定値にしておきたい国だとか、ファンドとか、投資家とか、そういう思惑が入り混じったり、風評で需要が左右されたりするんですが、ま大筋はそんなもんじゃないっすかね? ここ突っ込み所満載な気がしますけど
「伝家の宝刀を使えば、『俺はこう理解している』(`・ω・´)キリッ! ってやつだ」
「うにゅむぅ。なんというか前回からほとんど理解できてない気がしますよ〜」
「という訳で、その辺、すなわち価値の流動を今回はシミュレートだ。前回特に詰めが甘かったからな。変な勘違いをさせてしまったかもしれん。という訳で、後はヨロシク」
「ま、いいでしょう。価値というのは不変ではない、ということから知りましょうか。まず前回同様、僕と君はお互いに米とパンを作っている、としましょう。今回は食べる分は無視して、米、パンをそれぞれ15個づつ持っているとしてください」
「はい、パン屋さんみたいですね〜」
「おっと、待ちな! 今はその生産的な考えは捨てろ。単純に価値を考える時にその筋だと余計な思考が入る。ただ、無職ニートがパンを15個持っている、とだけ考えろ。今の貴様には夢も希望もない。あるのはただパンだけだ」
「も、持ち物パンだけ、ですか〜」
「という訳で僕と貴女はお互いにパンと米を交換するとしましょう。交換数、レートはどうしますか?」
「え? お互いに15個づつ持っているんですから、1個と1個で交換が普通じゃないんですか〜?
「はい、そこ。そこで貴女が持つパンに”価値”が負荷されました。今貴女が基準にしたのは所持数ですね。15個と15個で持ち合っているから、1個と1個の価値は等しい、と貴女は考えた訳だ」
「んー、別に普通の事だと思うんですけどね〜? 何か問題でもあるんですか?」
「大ありですよ。ではもし、今度は僕が米を5個、貴女がパンを25個持っていたとしたら、どうします?」
「んむむ? 今回はわたしがたくさんパンを持っているんですね〜。とは言っても、個数は個数ですし、1個と1個で交換したいと思いますけども〜」
「ふむ。では貴女が私に対して、前回と同じように5個5個でトレードしよう、と言ったとします。では交換後の持ち物は、僕はパン5個。貴女はパン20個と米5個になりますよね?」
「普通の足し算引き算ですね〜」
「でも、そうしたら次にまた同じように交換しよう、と僕が言ってきた場合、貴女はそれを受けますか?
「うに?」
「俺なら受けないよなー。余剰にあるパンが増えるだけだもん」
「先ほどまでは交換する事はお互いに新しいものを仕入れる、という意味がありましたが、今回のトレードでは新しく米を手に入れる可能性のある僕の方に利がある。これは解ります?」
「ふむふむ。確かにわたしはこの時、どう交換しても新しいものは入りませんね〜。むしろお米がなくなる可能性があります〜」
「という事はこの2度目の取引は貴女に損でしかないわけです。貴女がよっぽどのお人よしでもなければ二度目の取引は成立しないでしょう。という訳で。僕は1度目の交換で、パンと米を交換する気はありません。先の無い取引は勘弁ですからね。でも貴女はパンばかりの食生活に飽きていた。ああ、どうしてもお米が食べたい、となったとします」
「それなら簡単ですね〜。交渉すればいいんですよ〜
「ふむ。取引量の相談をする訳ですね」
「はい〜! 私はパンを多く持っているんですから、少し多めにパンを渡して上げればいいんです〜。今回なら、私がパン10個で、先輩がお米5個で交換すればお互いに同じ量だけ食べ物を持てますよね〜」
「うむ! 貴様は商売人としは下の下! というかランク外! 測定結果は無駄無駄無駄ァレベルです!(`・ω・´)! 悔い改めろ!
「ええ〜?! なんでいきなりランク付けなんかしてるんですか〜!」
「お前の価値観は個人の固定概念に引きずられまくっている。市場を見ようという気概がナッシング。今、貴様は非っ常に安易に物の価値を変えた。それはかなり危うい。貴様に国を任せたら三日でホロン部(`・ω・´)キリッ!
「それはともかく。今の貴女の価値観は『パン = 米』の世界から、『パン < 米』の世界へと移りました」
「パン2つと米1つの交換しようとしてるわけだからな。単純に言えば米の価値は2倍になってる。パンの価値が半分になったとも言えるんだがな。主観の問題だ。価値は相対的なモノだからのう
「これに通貨が混じるとまた違う評価になりますけどね。さて。最初の時と今の時で世界にある食料の数は変わっていません。けれど、誰がどれだけモノを持っているか、何を必要としているかでモノの価値は変わってしまう”可能性”がある。そして貴女はその可能性を踏んだ」
「う〜ん……。モノ自体の価値じゃなくて、全体量も考慮しなきゃならなかった、って事なんですかね〜?」
「など言う事を、交換を行うよりも前に考えておくべきなのですよ。だから僕は一番最初の取引を無かった事にしたわけです。それと同様に、自分のする取引が需要と供給にどんな影響を与えるのか、は少し考えたほうが良い。無関心のままでは経済の流れに付いていけずに損をしてしまう。だから経済は知っておいた方が良い、という事です。まぁ、知っていても損する時は損しますし、むしろ知っていると損が理解できてしまうので知らない方が幸せ、という考え方を否定するつもりはありませんよ。何度も言いますけれど、人間は過去に学ぶ生き物ですし、前々回のエントリでも言ったように、最良を目指してようやく無難になるのが人々には精一杯でしょうから。さて、多少は理解できましたか?」
「(´・ω・`)まぁ、なんとなくは〜」
「そうしょぼくれないでください。貴女の言い分も理解は出来ます。皆平等、平和が一番。しかし、今貴女が選択した価値の変動は、経済的観点から見れば特別理由の無い、自ら損をする謎な行動です。みんな仲良く、みたいな曖昧な思想の為の経済行動。それは確かに素晴らしい思想ではありますが、そのままでは経済を理解する助けにはならない」
「うにゅぅ。ちくちくいじめられてる感じです〜」
「ま、冗長になる前に次にいきますか。今回の例は供給過多による価値の変動です。供給……つまり取引される物の一方が多量にある場合、その多量にある方の価値が下がる、もしくは少量の方の価値が上がる、という法則ですね」
「さっきも言ったがどちらも同じことだな。これに需要の関係を含めることで、ようやく価値が上がった、下がった、などという言葉に方向性が付くんだが、まぁどっちでもいい。大切なことなので二度言うが、同じことだ」
「それだからこそ混乱しまくるんでしょうけどね」
「まぁ、今のところは何とかついていけます〜。でもこれがユーロと円とかの関係に戻るのかなぁ、って思うともう、頭痛がしますよぅ〜」
「何事も基礎から、ですよ。しばらくはつまらないですけれど、頑張ってください。次は需要について話ましょうか。今度は僕も貴女もクレジットを10づつ持っていたとしましょう。相変わらず1個1クレジット1個で交換されていましたが、今年は凶作でお互いに一個も食べ物は作れませんでした
「で、俺の倉庫にはパンが7個だ。一年過ごす為には4個食べ物が必要となると、どうなる?」
「うむむむ。1個1クレジットで、交換……出来ないですよねぇ〜。どちらかが足りなくなってしまいますよ〜」
「俺も信用があるからな。6個までは均等に、お互いに3個づつで交換するよ。けど、後一個に関しては少しタイムなー。早いもの勝ちっていうのも揉めそうなんで、貴様らで相談して決めてくれ
「僕も貴女も1個1クレジットで交換しようにも、残りは一個しかない。でも、どうしても食べ物は必要。手元には余ったクレジットのみ。……となったら、後はクレジットを上乗せする、しか僕達に手段は無いですね」
「さすがに負けた方は餓死、じゃ設定が悲しいから、パンが食えない場合は雑草を食う、という事にしよう。ちなみに雑草は超不味い。食べる度に下痢を誘発し、体調も悪くなる。その上、そんなに満腹にもならない。そんな冬を過ごしてもらうとしようか」
「ううぅ、雑草食べるのは嫌ですよぅ〜。じゃあ、私は3クレジット払いますから、パンと交換してください〜!(`・ω・´)
ちょwww抜け駆けwwwってそれは正しい。こういうのが競売の原理です。だがつめが甘いようですね! 僕は最初っから全開でいくぜ! 倍プッシュだ! 6クレジット賭けよう! + 花京院の魂と寝込んでいるお袋の魂を(ry
「GOOD! じゃ、君と交換しよう……と、言う前に俺も介入してやんよ! おい、生徒役。6クレジット+来年の春に出来たパン2個くれるなら、今パン1個と交換してもいいぞ。 + 花京院のたm(ry
「ふぐぅ〜。完全に足元見られてますよ〜! ……でも、さすがに雑草食べるよりはマシですね……仕方ないです。それで良いから交換してください〜……」
「さすがに僕はそれには乗れないですねぇ。降りましょう。僕は雑草でも食べますよ。(もしゃもしゃ」
「はい、毎度ありー。……という訳で、これが需要過多による価値の上昇だ。需要が高いモノほど価値が上がり、余分なモノの価値が下がる。……しっかし、貴様は本当に駄目の駄目駄目だな。言われるままに取引してどーする。そんなだといつか詐欺に引っ掛かるぞ」
「だ、駄目とか言われましても〜……(´・ω・`)」
「何が駄目かって、勢いに流されて同じものの取引計算も出来てないのが駄目。クレジット対パンの時点で、負け犬根性なのはまぁいいよ。所詮クレジットは余り物だし、価値は変動するからな。現に今の取引の感じだとクレジットの価値は下がるだろう。いざって時に取替え出来なかったんだから。でも最低限パン対パンの取引くらいは少し考えたまえ。今のパンと未来のパンとは言え、1対2の交換だぞ? 同じものだから価値の変動とか無いし、そこだけ見ても丸々パン一個減ってるじゃねーか
「しかもパンが無くても生きるのはなんとかなる、って前提もありましたからね。そりゃ僕も素直に草食べますよ(もしゃもしゃ」
みんながいじめるです〜(´;ω;`)
「僕なら……貴女と結託してとりあえず倉庫のパン1=1クレジットで交換します。で、その上で倉庫の人が食べる分の食料の交渉に入りますかね。明言こそされてはいませんが、こういう時、倉庫側はほぼ間違いなく自分の分の食料は確保していますよ。そうでなければあんな悠長に6個まではいつも通り、なんて言う訳がない。そこで1パン=3クレジット程度で交換できればお互いの損も解りやすいし三方一両損的で御の字なんですが……まぁクレジットの保障は倉庫の役目ですから、極力1パン=1クレジットを交換させたいところです」
「つまりは俺が草食えよファック! ってことだな。三人のうち誰かが草食うべきか、って質問なら、まぁこの場合であれば普通は俺だよねー。クレジットの保障は俺の役割だから、保障できないなら俺(銀行)が割りを食うべきだってのは当然の流れだ」
「後はまぁ、反則っぽいですけどパンを2つに割ってお互いに3.5個づつにして半季節は草を食う、って感じですかね。4季節でやり過ごせば、1季節の8分の1づつ草を食えば言いわけです。倉庫役の先輩にも割を食わせるのであれば、倉庫の4+7個 =11個 ÷ 3 = 3.666…。皆が1季節の3分の1我慢すれば済みます。毎季節12分の1だけ草を……」
「あ〜! も〜! 頭が混乱して仕方がないですよぉ〜!(`;ω;´)」
「ま、自分がいかに何も考えずに価値を変動させていたのか、って事がうっすら解ればそれでよし。価値は変動するものだが、必然ではない価値の変動は、狡猾な誰かに利を与え、無知な者が損をする、という構造になっている。しかも本人がそうだと自覚しない内にな。必然の変動の場合は、まぁ大抵が逆の構図になるんだが……。これもかなり適当な解説なんで、スルー推奨っぽいな」
「常に得をする人ってのはまぁどういう状況でもしっかり経済の流れを把握している、ってのは間違いないですけどね。後は経済を動かす力を持っている、って所でしょうか」
「という訳でまとめに入るぞ
 1:価値は相対的なモノ。
 それ単体で価値があるものっていうのはこの世界に存在しない。ソレと取引されるモノがあって初めて価値が生じる、って事だ。紙幣なんてまさにそのもので、紙幣なんて交換以外には使わねーんだからな。いや、すまん。人に言わせれば、平和(笑)、とかいのち(みつお)とかがあったな。ま、そんな事はしったこっちゃねー! クソして寝ろ!」
2:需要、供給のバランスで価値は変動する。
 需要が上がったモノは価値は上がり、相対的にそのモノと取引されるモノの価値が下がる。供給が上がれば価値は下がり、相対的に……となります。これも基本原則です。ま、この流れが人為的な物なのか、必然なのか、市井の人間には判断出来ないとは思いますが」
3:世界はつ・な・が・る。
 世界の流通は一繋がりだ。例えば日本が爆発して無くなったとして、日本円の保障が出来ず(国がないから)、価値がゼロになったとしたら、世界中はとんでもない恐慌になるだろう。これは極端な話としても、日本のある企業が倒産したという事が、世界のどこに影響を与えるかわからない。もしかするとそれが原因でインドのカレーの値段が上がる可能性も否定できん、という事だ。日本の事だから日本の株価と対ドル比が変わるだけ、という単純なことではない。ドルの価値が上がれば相対的に対ドルで交換している物の価値が下がる。そして世界中でもはや交換されていないモノを探す方が難しい。文頭で簡単にギリシャ危機からの世界同時株安の流れを書いてはいるが、あくまでそうなんではねーかな、という大筋の流れ……いや、波の一つでしかない。これは確かにニュースにもなるような目に見えた影響だが、これが返す波になったり、さざなみを起こしたり、という影響が、今誰の隣で起きるとも限らん。だからこそ経済は5年後が見えないと言われるんだが、ただ波を読める人間も、確かに存在する、という事でもある。世界はでっかい玩具箱。経済王に、俺はなる!(`・ω・´) 素晴らしい言葉ではないか」
「と、言うわけで中編終了ですね」
「やっぱりなげーよ。しかも今回は前回よりわかりにくいんじゃねーか? やはりパンと米ではわかり辛いのかもなぁ」
「基礎編は難しいですね。でもまぁとりあえずの筋は追いましたから、次回はもっと実地に沿った感じで楽になるとは思いますよ」
(´;ω;`)
「だといいがな。ドル、円、ユーロ。しっかり説明できるか今から不安だぜ」
「目標は週末まで、って事で、一つ」
「うむ。同一エントリはなるべく近くに更新しないとな……。後でまとめんのも嫌だし」
(´;ω;`)
「という訳で、また次回ですね」
「あいよ。ではまた」
(´;ω;`)ノシ
「……(こそこそ)次回はもっとおだてるべきか?」
「……(こそこそ)褒めちぎり作戦で行きましょう。褒めてやらねば人は動かじ、ですよ」
「いやー、しかしこの位バカのままでいてくれんと逆に困るんだが」
「さすがに次回は実践編ですし、しっかり理解してもらわないことには……」
|ω;`)ジー
「ほら、テーレッテーだぞ。元気だせ。>∩(・ω・)∩<テーレッテー」
「そんなんで元気でるわけ……」
「ミ(*´ω`)パァァ」
「なん……だと……?」
「>∩(・ω・)∩<テーレッテー」
「>∩(・ω・)∩<テーレッテー」
「駄目だ、こいつら……早くなんとかしないと……」