唐突だけどギリシャ経済問題について首をつっこんでみる。後編の中編! サブプライム問題とか今更。

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「と言う訳で放置していた企画にケリをつけるべく召集してみた」
「早いもんじゃのう、あれからもう2ヶ月か……」
「げぇーっ! お、おまえはーっ! ……っていいから。最早世間の関心も薄れた頃にこの話題っていうのがもう、なんていうかぐだぐだ感丸出しよね」
「え〜っと、前回どこまでやりましたっけ〜?」
「ま、予備知識とか脱線ばっかりで全然まとまって無いからな。一度リセットしてサブプライムローンあたりからやる、かな……。まぁそれ以前にも色々要因はあるんだが、解り安さ重視でいいだろ。という事で皆準備OKかー」
「「「おけー」」」
−−−サルでも解るギリシャ危機〜サブプライムローン編〜−−−
「と言う訳で20世紀も後半戦くらいから始めようか。その頃、アメリカでは移民が多くなっていてな。住居が持てない貧困層が結構多かった。このままではマイホームを持てない人々は更に増え、国民は不安になるだろう、って事で住宅ローンに対する減税が行われていた。まぁそれ自体は普通の政策なんで、軽く覚えておいてくれればいい。それとは別に2000年付近になってITバブルが崩壊。株式市場に対する信頼度がかなり落ちた。加えて2001年のアメリ同時多発テロの影響もあって、アメリカ経済は大混乱に陥る」
Events of 11 September. 所謂9.11事件って奴ですね。Let's Rollだ」
「あの事件、テレビで放映されるの何度も見ました〜。う〜ん……今でも信じられないですよ〜。アメリカであんなに大きな事件が起きるなんて〜……。テレビの報道とか全然現実感が無くて、なんていうか、浮ついた感じだったのを今でも覚えてます〜」
「ま、それだけでかい問題だった、って事だ。しかし割愛。とにかくアメリカ情勢は超不安定。国民は不安だらけって感じだったんで、アメリカ政府は少し考えた」
アメリカ政府「皆不安がってるみたいだし、いっちょ超低金利政策でもやろうかしら」
「超低金利政策ってのは簡単に言うと中央銀行が貸出の際の利息を下げる事です。お金を作っている所が金利を低くするのですから、国中の経済が活発になって……まぁ極端な話が金融機関からお金が借り易くなります
「え〜と〜……アイ○ルとか、レ○クとかですか〜?」
サラ金って奴だな。まぁそれだけじゃなく、住宅ローンだとか、カーローンも安くなる。個人だけでなく企業も資金調達がやり易くなったりもするな。っていうか政策的にはこっちがメイン。ま、逆にこれは自分の国が景気悪いっすよーって言ってるようなもんだから、どん詰まりになったら終わるんだけどな。しかし割愛! 今回のアメリカの政策は成功だったって事でよろしく頼む。景気も上向きになっていった
アメリカ国民「そんな訳で、バブルから一段落置いて住宅ローンも安くなりましたので、家でも購入しましょうか。ねんがんの マイホームを てにいらぞ
「とまぁ同じように考える国民が多くなったので、アメリカの住宅需要は上がり、住宅価格がどんどん上がっていった。需要が上がったらその分値段が上がるっていうのは以前の項で紹介してるが、需要が上がりすぎてもインフレになってしまうので、国としてはそのままではいかんのだが……」
「と、いう事は……金利をちょっと高めにして、需要を抑えればいいんじゃないですかね〜? 好景気な上、低金利で家が買いやすいから、って事で需要が高まってるんでしたよね〜?」
アメリカ政府「そうしたいのは山々なのだけれど、イラクとの戦争も始まっちゃったからね。戦争中に金利引き上げなんてやったら、戦争の為に国民から血税をむしりとるのか! なんて言われて針のむしろもいい所。次の選挙で落選は確実ね。実際問題住宅バブルが問題になっていても、時期が悪い。残念だけどこのままつっぱしるしか無いわね」
「政治家はほら、人気職ですから。支持基盤が合っても、やっぱり風評、時勢は気にしないと」
「問題は上がっていても、すんなり対応、とはいかないものなんですねぇ〜。でもまだアメリカは好景気なんですよね〜?」
「うむ。その時点ではそれほど急務という訳ではなかったな。それにバブル中ってのはまだまだイケる! って皆ノリノリだし。で一方居。イラク戦争で……色々あるんだが、とにかくドルの信頼度が落ちて、ユーロの信頼度が高まった。これによって海外の投資家がアメリカに投資しやすくなったのと、国内の投資家もITバブルで株式に対して及び腰になっていたから、アメリカの住宅にかなーりの関心が集まってきた。つまり国内外の投資化は、今、アメリカの住宅がチャンス! って感じで集まってきた、って訳だ」
イラクフセイン大統領が原油取引にユーロを使う、とか言っちゃったからあの辺は戦争になったんですよね。アメリカはドル中心市場でないと困るっていうか国が死にますから」
「あのねぇ。ざっくばらんに切り過ぎ。妹が勘違いしちゃうでしょうに。たまたま経済の面で考えるとそういう一面があった、ってだけでしょう? クウェート侵攻とか、アメリカとの貿易摩擦とか……戦争の理由はそう単純じゃないわよ。けれど延々と理由を述べるとまた前回と同じになっちゃうしね。まぁ遠因ではあった……って事にしておきなさい。……続きはウェブで! 湾岸戦争でググってください!」
「貴女も貴女で超投げやり過ぎませんか?」
「ほぇ〜。え〜と、じゃあ。皆で住宅を買おう、って集まるって事は、さらに需要が高まって、また住宅の値段が上がるって事じゃないんですか〜?」
「うむ。その通り。ただでさえ高まっていた需要がさらに高まった結果、当然のように住宅価格は超上がった。まさに住宅バブル全盛期ってくらいに」
「……なんだかこの時点で嫌な予感がするんですけれど〜……。でも、そうすると当初の目的だった国民に安定して住宅を供給する、っていうのが難しくなりませんか〜? 低所得者の為に住宅ローンの金利を下げても、家自体の値段が高かったら意味ないですよ〜」
「と、言うわけでようやくサブプライムローンが登場だ。サブプライム、っていうのは、サブのプライム。プライム=優良って事で、優良より下の層、すなわち低所得者とか、返済延滞者等を対象としたローンの事だ。これが出来た事によって本来ローンが組めないような低所得者もローンを組んで家を持てるようになった」
「へ〜。でも、さぶぷらいむ、って事は優良じゃないお客さまなんですよね〜? 家の買い物って結構な金額ですし、そんな簡単に貸し出ししても大丈夫なんですか〜?」
「そうね。だからサブプライムローンは通常の住宅ローンに比べて金利が高く設定されているわ。この辺は貸し倒れ割合と金利の平衡が云々、ってなるんだけど、例によって割愛します。ここで一番注目したいのは、サブプライムローン金利が払えなくなったら住宅そのものを売ればOKっていう契約になっているって事ね」
「はい〜? お金を借りて、家を買って、お金が返せなくなったら家を売るんですか〜……? 払えなくなったら現物を返せ〜、って結構あこぎな商売だなぁ〜、とか〜……」
「まったくその通りですよ。簡単に言えばサブプライムローンっていうのは、本来住宅ローンを組めない層に強引に貸し付けるローンですから。リスクマネジメントは必要不可欠です。基本的には顧客にとっては条件の厳しいローンなんですよ。ですが先ほども言った通り、住宅需要は高まっているので住宅価格はインフレを起こしています。放っておいても住宅の値段はガンガン上がっていく状態なんです。むしろ、家をサブプライムローンで買い、利息が払えず仕方なく家を売る、って頃には家の値段だけで利息も返済、逆に利益が出てしまう人もいたそうです」
「えー!? それじゃまるで無料で家を借りた上に、お金も貰える、っていう感じじゃないですか〜!」
「まったくその通りよねー。なので一部のサブプライム層は最初から利息を払う気が全く無くて一時的に家借りる、って感覚の人もいたみたい。これは貸付側が本当に誰彼かまわず融資しまくった結果で、借りる側、貸付側のモラル低下が見て取れるんだけど……。とにかく儲かったみたいだからね」
「住宅バブル真っ盛り、ってやつだなー。この貸した者勝ち! みたいな風潮もあって強引な貸し付けと、貸し付けたローンの証券化とか、海外資本家の本格的参入とかでもうITバブル崩壊やったばっかだってのに同じような道を……ってこれなんだかどっか近くの国で(ry」
「長く成りそうだからまとめるわよー。とにかくサブプライムローンっていうのは利益が出た訳。なので投資家はこぞってそこに手を出した。人が集まるって事は需要があるって事で価値が上がってまた利益が出る。って感じでずーっと住宅価格は上昇していったのよ。でも当然そんな日々は続かないわ。住宅の高騰が行き過ぎて政府が本格的に危機感を覚えたの。戦争も終わったし、金利の引き上げを行ったわ。すると……」
「う、なんだか嫌な予感がしてきましたよ〜!」
「長くなるのでこれも端的に言いますよ。金利が上がり、まずローン返済が出来なく人が増えました。まぁ元々返す気も無い層とかもいたくらいですから、これがどれだけ大規模な返済の滞りだったのかは想像に難くないですね。そうなるとローン証券の価値が減り、投資家が逃げて行きます。投資家が引き上げる、という事はローン会社は現金が必要になるって事です。そうすると住宅利息の返済を顧客に求める、そして払えない層が更に増える。……駄目ループですね。そして最終的にローン返済の為に家を売るようになるのですが……。皆が皆同じような状況だったので、あちこちで家の売りが目立つようになりました。そうなると最早家は過剰供給の状態で、投資家も引き上げ始めている事もあり、需要がほとんどなくなっていました。結果残るのは二束三文で投げ売りされる家の数々と、返済されないローンだけ……。住宅は固定資産だから、っていう意識が水物である証券との結びつきで過剰な評価を……(ry」
「ともかく。この損は基本的にサブプライムローン会社が受け持つ事になる。で、当然貸した金は返ってこない。代わりに家を売ろうとしても売れない、となったら……どうなる?」
「うう〜、会社が赤字になって潰れてしまいますよ〜!」
「そーね。なので思いっきりアメリカの住宅ローン会社は潰れまくったわ。アメリカの住宅に対する信頼度も低下。そして何より会社や銀行が軒並み損失計上報告しちゃったもんだからさあ大変。アメリカの銀行、住宅が下り目です、世界的にも大打撃です、なんて言われたら、皆、アメリカから資本逃がすでしょ?
「その上政府も、サブプライムなんて助けねー! クソして寝ろ! なんて言っちゃったからな。火に油だ、ってこれも我が国の財務大臣が同じように株価を見守るとかタッチしない宣言を……ってバカばっかりだな、もう! 歴史に学べよ!」
「で、結果アメリカの株価は大暴落。ドルの価値も低下して、大恐慌、って感じかしら」
「ほえ〜……! なんだか壮大な物語に成ってきましたよ〜! ……あれ? でも誰かが損をする、っていう事は誰かが得をしている、っていうのが基本的な原則なんですよね〜? この場合、誰が得したんでしょうか〜?」
相対的に資本が逃げたEU諸国、と見るのが一般的だな。ま、住宅価格の低迷はアメリカ国内の需要供給の問題だから、二元的に損得がある訳じゃないがね。それに先見の明がある一部の投資家は暴落前に売り抜けてるはずだが……事態が事態だけに、公表されることは少ないだろーな。目の仇にされてしまう」
−−−
「と、言う訳でアメリカに集まっていた資本の逃げた先、EU……すなわちギリシャのあるヨーロッパ方面に移る、っていう訳ですよ」
「すごい遠回りね。いままでギリシャのギの字も出てないわよ」
「以前も話ましたが、世界はつ・な・が・る。特に現状世界はアメリカを中心に回っているのです。詳細は割愛ですが、アメリカの経済状況を知るっていう事は世界を知るって事になるのですよ」
「合い言葉は割愛! だな。もっとまとめるスキルを身につけるようにしたいね。……さて、生徒役。ついてこれてるか?」
「はい、長かったですけど、な、なんとか〜……」
「世界の流れを知るとそれで全てが説明出来る訳ではないけれど、ちょっとした理論展開は出来るからね。戦争の理由、経済の浮き沈み、国の興亡。今回も発端はただのアメリカの住宅事情だったのに、湾岸戦争だとか、EUの問題にまで発展する。こういうのが経済の楽しみなんじゃないかしら。特に世界の最先端を走っている疾走感とか?」
世界の先頭で株価をドモホルンリン○ルする首相が居る国ですけどね、ここは」
「挙句の果てには即座に手のひら返しとか、もうね。……あんまり極端な事は言わない主義だが今回は言わせてくれ。あいつらさっさと実家に帰らせろ! 島根県知事呼んでこい! 早く!」
「さ、過激になる前にお開きにしましょうか。今日のまとめとしては
1:バブルは滅びぬよ。何度でも繰り返すさ!
2:バカばっか。
 って所ね。アメリカが大損してドル基盤が転けそうになってた。EUはそれを狙ってユーロの価値を高めようとしている、って感じで覚えてくれればいいわよ」
「はい〜。了解です〜」
「本当、なんでこんなに長いエントリになったんでしょうねぇ……」
「たまにはいいんじゃない。最近手抜きエントリばっかりだったし。どうせソース元も参照しないエントリだから、結局眉唾レベルの会話なんだけどね」
「真実を言うな。真実を」
「と言う訳で、また次回〜」
「ではまた。ノシ」
「じゃ、帰りましょーか」
「ECOECOうるせぇんだよ! 早くトゥルーヒューマンやってきてー!」
「「バクマン。か!」」
「……えと、ではまた〜! (´・ω・`)ノシ」