TPPについての勉強会。その1。

→ TPPについての勉強会。その2。
風向「ありがとう民主党!()
月「……何やってんのよあんた達」
臨「笑ってるように見えますけどふたりとも顔が全然笑ってませんよ〜!」
風「っつーわけで今回は昨今話題のTPPについての勉強会だ。正直今も何が起こってるのか解らん状況な諸兄もいるだろうからな。相変わらず自己勉強の意味が多数だが、お付き合い願えれば、と思う」
向「ま、例によってソースはほとんどインターネットでみた△なんですけどね。一応日本政府のサイトを見てはいますが、流し見程度ですのでお察しください、という事で」
臨「えっと、TPPというと、野田首相が参加を表明するいこうをしめした〜? って記事になってましたね〜。……どういう意味なんですか〜?」
向「えっとですね。正確に言うとTPP参加交渉をする事を、公式の場で言う事を決めた、って感じですね(11年10月31日現在)」
臨「(´・ω・`)? 何だか無駄に遠まわしな言い方ですよね〜?」
風「それも含めて色々勉強して行こう。っつーわけでいくぜー」
月「はいはい。またながーい話になりそうだからね。お茶菓子でも用意してくるわよ」あたしと妹はいつものでいいとして、あんたら何か飲む? インスタントコーヒーかお茶くらいしかないけど」
臨「わたしも手伝いますよ〜」
向「いつもど……コーヒーブラックでお願いします」
風「俺ぁーコーヒーに砂糖とミルク腐るほど入れてくれ。量も多ければ多いほど良い」
月「はいはい、んじゃさっさと用意してくるからちょっとまってなさい」


TPPって結局何?

臨「ズズズ〜っと〜。で、結局TPPって何なんですか〜?」
風「TPPってのは、正式名称はTrans-Pacific Partnership環太平洋戦略的経済連携協定の事だな。すっっっっっっっっげーーーーー簡単に言うと、国境なくそうぜ? って感じ」
月「ちょっと待ちなさいw 妹を騙すのはやめて」
風「まぁ待てw とりあえず簡単な説明だ。っていうか、そもそもTPPが一体どういう事になるのか、ってのは現状正確には解っていないんだよ。TPP一体何なの? って言われても、まだわかんね、っていうのが正直な所なんだ」
臨「ほぇ〜? じゃあその、どうなるか分からない事について今回はお勉強するんですか〜?」
向「正確な所は解らない、とはいえ、その前段階で参加国の募集や、相談があるわけですから、多少の輪郭は見えています。今回問題になっているのは、そのよく分からない何かに前約束で参加するべきかどうか、って感じですかね」
月「TPPの前にFTAEPAも知った方がいいとは思うんだけど……。ま、TPPが何をしようとしているのか、を説明するには、まずその成り立ちから説明した方が多分早そうね」
風「それだな。って訳でまずはTPPの成り立ちから説明するとしよう」


TPPの成り立ち

向「TPPは元々、シンガポールブルネイ、チリ、ニュージーランドの4国が、海外への影響力を高める為に経済協力しよう、という事で始まりました」
月「ま、どこも経済小国よね。シンガポールは観光、ブルネイは石油、天然ガス、チリは銅と農業、ニュージーランドは農林業と、やっぱり観光ね」
風「ブルネイは国土が小さすぎるし、他も第一次産業か観光メイン、と。基本的に観光がメインの産業である国はやっぱり弱いよな」
臨「観光とか、お金をたくさん使ってくれるイメージですけどね〜?」
向「まぁ、観光が盛んでも実際に売るものがなければしょうがないですからね。それにやっぱり、ほら。観光って裕福層の余剰金で行われるものですし……」
風「結局強いのは固有の技術での工業品生産国か、原料、燃料などの大量産出国だよな……って話が逸れたな。まぁ経済弱小国同士、手を組んで世界に対抗出来る力をつけよう! っていうのがTPPの当初の目的だったわけだ」
臨「ほむほむ〜。小国同士、皆で協力してがんばろう、って事ですね〜」

月「ところがどっこい」
向「古いですw」
月「うっさい! ともかく最初の4国で、どういう協力内容にしようか、って話し合ってる時に参加国が増えたの。2010年の話ね。そしてこれが大きな転機になるわ」
向「具体的にはアメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルーですね。まぁその後、TPPの交渉の話が続いて最終的な参加国はシンガポールブルネイ、チリ、ニュージーランド、オーストラリア、ペルー、アメリカ、ベトナム、マレーシアの九カ国になりました」
臨「ほぇ〜。なんだかんだで皆仲良くして行きたいって参加国が増えたんですね〜」
風「いや、そう単純な話では……まあいいか。じゃあ問題だ。この九カ国でTPPの条件を決めるとして、どこの国が議長をやると思う?」
臨「ほにゃ? えっと〜……。言い出しっぺの人がやるんじゃないですかね〜?」
月「そんな訳ないでしょ。経済協力っていう名目なんだから、一番経済力のある国が発言力が大きくなるに決まってるじゃない。当然のように今、TPP協議の議長はアメリカ大統領である、オバマさんよ」
向「ちなみにその九カ国のGDP比率を考えると、アメリカが80%超えてます。残りの半分がオーストラリアで、残りが後の7カ国になってますね」
臨「えっと〜、あれ〜? TPPって経済小国同士の経済協力、というお話だったような〜……?」
風「お察しの通り、世界ナンバーワンの経済力を持つアメリカ様の独壇場になっちまってるわけだなw そこで関税撤廃やら、金融サービス、人材などをどうするか、って話をしているんだが……。まぁそれは置いておいて、ここでは、TPPってのは実質アメリカが仕切っている、って事だけ覚えてくれればいい」
月「ま、経済共同体を作るって事は当然国家の経済力が高い国が先導するのが当然よね。出資してる額が一番大きいんだから」
向「株主とかじゃないんですから、そう単純じゃないですけどね。とはいえ一番影響力が大きい国が自国に有利な条件にするように進めるのは当然でしょう。っていうかそういう協定ってそもそも協定者同士ウィンウィンの関係を築く為のモノなんですけどね」
臨「ほにゃ〜」
風「ほれ、一遍に言っても解らんだろ。って訳で次いくぜー」


TPPの輪郭について、FTAやEPAのさわり。

臨「TPPが国同士の経済協力、っていう事と、アメリカさんが主導している、って事は解りましたけど、結局TPP、っていうのは具体的にどういう事をお約束するんでしょうか〜?」
月「TPPの話をする前に、FTAとEPAの話を先にしましょうか」
臨「ほにゃ? FTAとEPAですか〜? どこかで聞いた気はしますけど、何か関係があるんですか〜?」
風「まぁTPPがどうなるか解らんのでなんとも言いづらいが、それらは全て国家間の経済協力の事だ。基本的には経済協力の度合いで分ける事が出来る。イメージとしては」

FTA ≦ EPA ≦ TPP

風「という感じだな。まだTPPがどうなるか解らんので等号も入れたが、FTA、EPAが二国間の協定なのに大して、TPPは多国間の協定という違いがある。ま、今回の問題ではその多国間なんてのはほとんど意味をなさないんだが」
向「FTAもEPAも経済協力なんだけど、EPAの方が自由度が高いのよ。そしてTPPはEPAと同程度、もしくはそれ以上の自由度で複数の国家間で交わされる協定って事」
臨「えっと、FTAがすごーくなったのがEPAで、EPAを同時にたくさんの国と約束するのが、TPPって事でいいんですかね〜?」
風「ま、そんな所だな」
臨「それで結局FTAって何なんでしょうか〜?」
向「せっかくですからそれ単独で段落分けしましょうか」


FTAとPEAの違い。っていうかFTAって何?

臨「それで、FTAというのは結局何なんでしょうか〜?」
月「FTAはFree Trade Agreementの略ね。日本語だと自由貿易協定よ」
風「面倒くせぇから適当にまとめるとFTAってのは関税を無くす、って事だ。関税は解るよな?」
臨「( `・ω・´)さすがにそのくらい解りますよ〜! 関税は、海外からの輸入品にかける税金の事で、国内の産業を守る為のものなんですよね〜」
向「ま、FTAで関税を無くす、とはいっても全部じゃないんですけどね。他にも企業の規制が緩和される……らしいのですが、この辺りはお互いの国の貿易に関する輸入規制やら安全基準、そもそもFTAの合意内容にかなーり影響されるので言及しづらいです」
月「っても日本の食材に対する安全基準って、めっちゃめちゃ高いんでしょ? それが……まぁどの程度かは解らないけど緩和されるかも、っていうのはちょっと大きいんじゃない? それが例えば食材じゃなくても」
風「ま、そのかわり現地生産証明ってのが必須になってくるんだけどな」
臨「現地生産証明、ですか〜?」
風「おう。文字通り、その国で生産してますよ〜って証明の事だ。これが無いとワンツーパスで第三国からバンバン無課税で物が入ってきちゃうからな」
臨「ほにゃ〜? わんつーぱす、ですか〜?」
月「例えば。今日本はインドとFTAしている最中なの。で、インドとは関税無しで取引するとするじゃない。で、インドは中国ともFTAしてます、っと。そして日本と中国はFTAしてません。はい、これ例えば私が日本で、貴女が中国で車の貿易してたらどうなると思う? ……どうせだからFTAの効果も説明しましょうか。とりあえず最初はどこも関税があるって事で考えてみて」
向「人口とか経済力とかも多少考慮して考えてくださいね。日本の方がインドよりもお金持ち、とか。関税は……為替レートもあって一概には言えないっていうか調べにくいので、中国から日本に車を輸出する際の関税はくっそ高いと思ってください。まぁ中国国内での売値の数倍でいいでしょう。対インドも……まぁ同じくらいとはいいませんが関税は高い、って感じで。……自分で言ってて適当ですねw」
臨「どちらに売ろうと思っても関税がかかってしまうんですよね〜? だったらインドよりも日本に営業した方が、日本人がお金持ちだから、より売れたりする……んですかね〜?」
風「ま、実際は関税に阻まれてどっちでもあんまり売れない、ってのが実情だろうな。国内品より海外品をお高いものにする事で、ならば安い国産品の方がいいじゃん、とか多少値段に差があっても国産の安心できる商品の方が良い。って自国民に思ってもらう必要がある。これが関税の役割だ」
向「ま、これ技術力のある日本ならでは、の関税の考え方なんですけどね。他の国では関税も立派な税収の一つですから」
月「日本は関税の税収が全体の2%前後ととにかく低いのよね。他の先進国なら5〜10%程度らしいんだけど」
向「では、次は現実とあわせて考えましょう。日本とインド、インドと中国ではFTAがあり関税が無い状態、と考えておいてください」
月「ま、協定文しっかり見ている訳じゃないから、車の関税が実際どうなってるのかは解らないんだけどねー……」
臨「えっと〜。日本に車を売ろうと思っても関税がかかってあまり売れないんですよね。だったらFTAをしているインドに営業しに行った方がいいかもしれませんね〜」
風「それが基本的なFTAの効果、メリットだな。他の国に輸出するより、FTA締結してる国に輸出した方が関税が無い分売れる。関税が無いから海外の品物が安く買える
臨「ほむほむ〜。輸出する企業はよく売れる国が増えて売上アップ、輸入する国の人たちにとっては海外の物が安く買えて幸せ、って事ですよね〜。良い事づくめじゃないですか〜」
月「ところがぎっちょん」
向「さっきからリアクションが古いですw」
月「とにかく! じゃあ逆に。貴女がインドの車会社の人だったら? ちなみに海外貿易は全くしてません
臨「えっと〜、関税がなくなったので、中国の車が安くたくさん輸入されるんですよね〜……。ということはライバル商品が増えて……。売上が落ちると思います〜……」
風「とまぁそれがFTAのデメリットだな。国内向けの国内産業が衰退……というか競争力が増加する。まぁそれでも技術力向上とか、値下げ競争ってなれば営業努力の範疇かもしれんが……そう上手い話ばかりでもない。ただでさえ世界的に不況と騒がれている昨今だからな下手すりゃ潰れる会社もあるだろう」
臨「うにゅ〜。その国の人たちは海外の物が安くかえますし、輸出している人は売れる所が増えるんですけど、国内販売している人はライバルが増えちゃう、って事なんですね〜」
向「という訳で話を戻してさらにいくわよ。中国で車貿易を営む貴女はインドでの車販売を通じて大きい利益を上げて、インドでの販売拠点を作る事ができました。そして今度は日本に対して営業をかけよう、という事になります。貴女ならどうする?」
「えっと〜。中国から直接日本と取引しようとすると、関税がやっぱりかかるんですよね〜? だったらインドの拠点から日本と取引出来るようにすれば、インドと日本はFTAをしている訳ですから、また関税無しで安く車を輸出できますよ〜!」
風「っていうのが出来ないようにするのが、現地生産証明だ。ただ単に中国で生産した車をインドに持って行って、インドの会社が日本にFTAを利用して無関税で車を輸出する。そんな事が簡単にできてしまっては一国とのFTAが結果的に世界中とのFTAにもなってしまいかねない。FTAのデメリットはさっきも言ったな?」
臨「そんなことになったら世界中からより安い商品が集まってきて、国内の商品が全然売れなくなっちゃいますよ〜」
向「それを防止するのが現地生産証明ですね。この商品はちゃんと国内で作ってますよー、と国に証明してもらう訳です。……ま、当然審査とお金掛かりますので、取引量や品目によっては余計な手間と考える企業もあるでしょうね」


FTAで日本は何をしたいのか。

風「と、まぁこれで関税、FTA、現地生産証明が大体解ったと思うが……。後は日本のスタンスでも話しておくか」
向「えっと、日本の輸出、輸入について、どんなイメージですか? 適当で構いませんよ?」
臨「えっと、電化製品とか〜、車とか、凄い優秀っていうお話ですよね〜。だからそういう工業製品が輸出のメインだと思います〜。で、輸入は食べ物ですよね〜。食料自給率が低いっていうのは皆さんいつもおっしゃってますし〜」
月「ま、大体そんなもんかしら。物を作る技術はあっても、材料がない。食べ物も自国で作れない。人件費高すぎ。これが日本のイメージね」
風「だからこそ、FTAを通じて作った物を、技術力の低い国に安く提供する。かわりに材料や、食料を安く大量に輸入する。これでお互いハッピー! っていうのがすげーーーーー簡単な日本のFTA基本戦略って訳だ」
向「細かく知りたいなら各自調べてね、っていう逃げ口上ですよねw」
月「相変わらず卑屈よね」
臨「そう聞くとすごく良いことづくめだと思うんですけどね〜?」
月「車とか、携帯電話とか、そういう技術は日本本当に高いからね。例えばそこに中国製のよく分からないロゴのついたテレビと日本製の有名メーカーのテレビがあって、値段差が倍近くあったとします。貴女はどう思う? どっち買いたい?」
向「中国産テレビが爆発すると思
風「やめろw」
臨「テレビって長い間ずーっと使うものですしね〜。多少値段が高くても国産の方を買うと思います〜」
月「じゃあ次は食べ物。その辺のスーパーで売ってるお安い牛ひき肉と、専門店に売ってる国産牛のひき肉。明日のお弁当のハンバーグに使うのはどっち?」
臨「えっと、さすがに毎日食べるものはスーパーで安く済ませると思います〜」
月「FTAで犠牲になるのはそういう所かしらね。日本は人件費高いし、特に食に関しての規制が多いから。一次産業はどうしても弱くなっちゃうし。確かに食べ物は安くなるから食べ物は日本中に渡るし、私達も安いものが食べられて嬉しい。でも国内の農家は海外との価格競争にさらされて厳しくなるし、そうなると業界自体が収縮して、結果また食料自給率が下がるで、また足りないから海外に頼る、っていうスパイラルになってるのよ」
向「ちょっと話逸れてますよ。 それ、FTA無くても関係ないですw」
月「うう。食料自給率の話になるとつい……。まぁともかく。元から足りなくて海外に頼っているものがFTAを通じて安くなるってのはいいんだけど、あんまり多くの海外のモノが入ると国内の産業が大変になる、って事だけ覚えておいてね」
風「って訳でそろそろEPAの説明にはいるぞー」


EPAについて

臨「FTAというのが二国間で関税をなくして、お互いに取引をしやすくしよう〜、っていうのは解りましたけれど、ではそれよりも大きなEPAっていうのは更に何をするんでしょうか〜?」
向「EPA経済連携協定ですね。正式名称はEconomic Partnership Agreementになるんですが……ぶっちゃけ海外ではEPAってあんまり使われてないんですよね。っていうかむしろFTAがEPAと同義というか……」
臨「ほえ〜? FTAとEPAって同じ意味なんですか〜?」
月「正確に言うと違うんだけどね。日本が特別区別して言ってる、って感じかしら。他の国だとFTAって言えばEPAを含める事が多いみたい」
風「関税や通商協定を緩和するFTAに対して、EPAでは労働力、資本、知的財産権の保護、投資、競争政策……等々、まぁこれも結局条文によるんだが、より広い範囲で経済制限を緩和するっていうのがEPAだな。で、世界一般的にはFTAといえば日本のEPAに相当する条文が当たり前になっている、って事だけ覚えてくれ」
向「つまり実質さっき説明した、関税や貿易協定だけを自由化するFTA自体はほとんど存在しない、って事ですね」
月「まぁこの情報化社会で海外と共有するのは何も資源とかに限った事じゃない、って事なのかしら?」
風「まぁ簡単に言うと物だけじゃなくてサービス、金融なんかも自由化するって事だ。これも何が自由化されて、どういう規制緩和が行われているのかは結局条文次第になるので一々FTA、EPA毎に内容を確認する必要があるんだが……正直面倒 知識不足なのであまり補足はしない」
臨「て、適当です〜! 海外からどんなものがどうやって入ってくるのかを知るのって、それはとっても重要な事なんじゃないんですか〜?」
向「それがまた、微妙に重要じゃないんですよね……」
月「長くなってきたしそれも含めてそろそろまとめて区切った方がいいんじゃないの?」
風「それもそだな。ってわけでそろそろ締めるぞー」
臨「ど、どういう事なんですか〜!」


FTA、EPAのまとめ。

風「という訳でTPPの話をするはずだったのだが終始FTA、EPAの話で終わってしまったが、個人的にはそれなりに面白かったな。っつーことでまとめるぞー」

FTA:自由貿易協定
 関税や通称規則など、貿易をする際に障害になりそうな規制を緩和する。ほとんどの関税が0に近いレベルで下がるが、全部関税撤去! とまで自由ではなく、多少残る物もある。が条文次第現地生産証明は必須。

 EPA:経済連携協定
 基本的にはFTAの強化版。FTAの内容に加えて、労働力や資本、知的財産権の保護、投資、競争政策など経済に関連した様々な項目で自由化を図る……が条文次第。海外でFTAと言えば、EPAまで含めるのが普通。

風「ってところだ」
臨「多少理解したような感じではありますけれど、でもこんな、関税がなくなったり、海外からサービスが入ってくるのが自由になったりとか、凄い大きな問題だと思うんですけれども、どうしてそんなに話題にならなかったんでしょうか〜?」
月「小泉内閣でFTA締結してるんだけど、その時は結構話題になってたような気が……」
風「まぁ問題にならなくて当然なんだけどな。FTA、FTAって言った所で、身近に何か変化があったか、って言われてると大して変化はなかったと思う。それもそうだ。影響が出るほどの経済力を持った国とFTAなんてしねーんだからよ」
臨「ほにゃ〜? どういう事ですか〜?」
向「現在日本がFTA、ないしEPAを締結している国は、シンガポールインドネシア、タイ、フィリピン、ブルネイベトナム、マレーシア、チリ、メキシコ、スイス、後はインドとペルーが署名済み、後は協定発効待ち状態ですね」
月「こういうのもなんだけど、インド、あとメキシコがちょっと強いくらいで後はほとんど経済発展途上国相手だものね」
風「まぁ国土の規模とかの問題もあるんだけどな。そもそも日本の技術力、経済力から比較したら世界中ほとんどの国が発展途上国扱いだよ!
臨「えっと、それじゃあ、FTAといってもそんなに影響のない国とだけ締結している、って事なんでしょうか〜」
風「それはちと違うな。日本国民からしたらそれほど気にならないだけなんだよ。さっきのテレビの話でもしたが、そもそも日本の工業技術力は間違いなく世界トップレベルだ。その国民がわざわざ海外の安い微妙な工業品は買わない。が、逆の立場だとしたらどう思う?」
臨「逆、ということは私が海外に住んでいたら、って事ですよね〜」
向「メイドインジャパン、といえば高性能高級品の代名詞。一部の裕福層しか買えない……まぁ外車のような物だと思ってください。それがFTA締結によって関税がなくなり、安く質の良い日本製品が入ってくる、と」
臨「それは嬉しいですよね〜。技術力が無くても確かな製品がお安く入ってくるなら大歓迎です〜」
風「とまぁそんな感じで技術力がある日本の輸出が伸びるのはほぼ間違い無い訳だ。それも大層な金額の工業製品のな。だが海外から入ってくるのは食糧や鉱物、燃料など元々日本に足りていない物。それが安く入ってくるならどこ産だろーと俺達は大して気にしない。現に俺も今日の昼飯がどこ産だかなんて調べて無いし、食って美味ければ気にしないからな」
月「それはそれで問題じゃないかしら……」
向「などと言っているとお互いに良いこと尽くめのような気がしますが、実際これ、相手の国の工業産業の事なんて微塵も考えてないんですよね」
臨「ほや〜?」
月「日本の良い製品が安く日本に入ってきて、もし貴女がその国で小さいながらも地道な技術で国産テレビとか作ってたら、どうなるのよ」
臨「はうっ! 今までは高くて敬遠されてた日本製品が安くなったら、強大なライバル出現ですよ〜!」
風「実際はライバル出現どころか魔王降臨レベルの気もするが。ともかく、輸出の増大っていうのは輸出先の産業を食いつぶす事になる、って事だ。経済格差があれば尚更な。だから関税って物がある、って学校で習っただろ?」
臨「じゃあ、関税を無くす、っていうのは、つまり〜……」
月「そ、輸入される産業に関して半ば国産を諦める、という事に近いのよ。だから日本のFTAの相手は、日本の強みである技術力の少ない経済弱小国が多いわけ。……ま、これも適当な素人考察なんだけど」
向「まぁ足りないから補う形で輸入を強化するとか、海外の品物が入ってくる事で、業界に影響を与える、ってのもあるかもしれないですけどね」
風「っても俺達は別に輸入、輸出の品目とかまでしっかり調べてないから、その辺は協定の内容が考えられている、って思いたい……って、思いたいじゃ駄目なんだよな。そういうのを調べて、ちゃんと認識しておくっていうのもまた重要なんだが……」
向「で、結局の所そういう認識が一番まともな政治家を選ぶのが僕達の権利、って事ですよね」
月「なんだかんだいって、一番知識が必要なのって国民なんじゃないかしら
風「話が逸れた! ともかくすっげぇええええええ簡単にまとめてしまうと、FTA、EPAなんかは経済的、技術的格差を利用したWINWINの関係であって、対等に近い立場でのFTAは、どーなるか分からない、って事だ」
臨「経済的に対等……ですか〜? よく分からないですよ〜」
向「まぁ経済的に対等な国なんてこの世には存在しないんですけどね。とはいえ、技術や経済状況が近い国ってのは多いでしょう」
月「今までの例えば物の優劣がしっかり決まってた状態だったけど。それが質はほとんど同じだけど値段だけが違う、って事になったらどうなるの? って感じかしら」
風「って訳で次回はその辺の考察を含めたTPPについての本題に入ろうと思う。長くなったがおつかれさま、って感じだな」
臨「はい、おつかれさまでした〜!」



風「……しかし本当に長くなってしまったな。正直自分で読みなおすのも躊躇するレベルで長いぞ……」
月「何言ってんのよ。結局本題であるTPPに関してはほとんど何も説明してないじゃない」
向「とはいえいきなりTPPってこういうことだよ、って言及してもじゃあお前はFTAとかEPA知ってるのか、って話になっちゃいますしね」
風「そういう要点を踏まえた簡単な説明が出来れば一番なんだが……調べながらポチポチ書いていると、結構雑多な話になってしまうからな。反省して今後に踏まえたい」
臨「でも調べ物をしながら、FTAってこうだったんだな〜、とか、この国とも締結してるんだな〜っていうのは面白かったですよね〜」
風「うむ。調べ物しながら、新しい発見があるのは……って今更FTAに対して新しい発見もなにも無いんだが、まぁ楽しかった。個人的考察も軽く出来たしな」
月「それがいつもの見当違いじゃなければいいんだけどね」
向「ま、今回は別に結論もオチもありませんし、結論やオチになればいつもの雑多な意見が飛び交いますよ」
風「賛成意見と反対意見がある以上、それを行うメリットと、デメリットは必ずあるんだからな。比較する際はその個人が何を重視しているのかを考える事からだ……ってこれ以上話しても更に長くなるから今回はここで締めるぞー!」
臨「はい、了解です〜! それではまた次回〜」
月「はい、んじゃまたね」
向「それではまた近いうちに」
風「来週ジャンプ感想挟んでまたまとめらたらいいな」
→ TPPについての勉強会。その2。