TPPについての勉強会。その2。

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風「ぷっはー! ウメー。しっかし、コーヒー牛乳っていうのは神の産物だよな」
臨「コーヒー牛乳は給食でも大人気ですからね〜」
向「まぁインスタントコーヒーだったら何入れても別にどーでもいーっすよねー」
月「何その、俺はコーヒー解ってるアピールw」
向「いや、結構マジで豆挽いたコーヒーは美味い……っていうか味が違いますからね。っつーかインスタントコーヒーもとい市販のコーヒー全般が同じような味なんですよ。酸味重視っていうか」
月「はいはい。うんちくはいいからさっさと続きやるわよ」
向「チクショー!w」
風「ふむ。って訳で前回に引き続きTPPについての勉強会を行う。前回でFTAとEPAの話は大体理解したか?」
臨「はいはい〜。えっと、二国間で関税を無くして貿易をやりやすくするのがFTAで、それに加えてえっと、その〜……たくさんいろいろ自由にするのがEPAでしたね〜。それで、海外ではFTAというと、EPAの内容まで含む事が普通って事も覚えましたよ〜」
月「色々ねw」
風「まだTPPについて詳しくは話してないが、大体どんなもんか軽く説明したが、それも覚えてるか?」
臨「はいはい〜。えっと、TPPっていうのは最初4カ国の経済的に弱い国同士の協力だったんですよね〜。それが2010年になって参加国が増えて〜……えっと、特にアメリカが参加した事で状況が変わった〜? ……って感じですかね〜?」
向「そうですね。最初はごくごく小さい規模のFTAって感じだったんですが、まぁそこに世界最大の経済力を持つアメリカ様が参入しちゃいましたからね。いや、それだけならまた問題はなかったんですが……」
風「って訳で、そろそろ本題に入ろう」


TPPについて。現状把握。

風「ともかくTPP……Trans-Pacific Partnership、環太平洋戦略的経済連携協定は、複数の国家間でFTAを締結しよう、というお話な訳だ。でー参加国だが……。色々あるんだがアメリカだけ覚えてりゃいいんじゃね?」
月「駄目でしょ。シンガポールブルネイ、チリ、ニュージーランド、オーストラリア、ペルー、アメリカ、ベトナム、マレーシアの九カ国は協定交渉中ね。他にも参加の意向は示したけど辞退した国は幾つかあるみたいだけど、それは今はあんまり関係ないわね」
向「まぁ結局その中で経済力あるのはアメリカですからね。前回でも言いましたけど、その九カ国だとアメリカだけで8割以上の経済力があります。まぁ単純GDP比なんで、あまり当てになる数値じゃないですけど」
風「そんだけGDPに差があるって事は、日本が参加したらTPPはほぼほぼ日本とアメリカの相撲になるって事だな」
月「そりゃ、世界で第三位のGDPだもの。日本とアメリカ対比が1:3だから、アメリカ6割ちょい、日本2割強ってとこじゃない? ざっくりだけど」
臨「えっと〜。あの、それだと元々の参加国の方々はどうなってるんでしょうか〜?」
風「残り1割とかそんなんだな。これ、一割ある、って考えるのか、一割しかない、って考えるのかで一応物事は変わってくる気がする……まぁ大事の前の小事って感じだが」
月「後知っておきたい事と言えば、そもそもアメリカってこのTPP参加予定国のほとんどとFTAやってる、って事よね」
向「シンガポール、チリ、オーストラリア、ペルーは締結済みで、あとマレーシアが交渉中とかですかね」
臨「残ってるのは〜……ブルネイと、ニュージーランドベトナムですね〜って、3カ国しか余ってないですよ〜!」
月「つまり……どういうことか解るってばよ?
向「本人から答えを引き出そうとしてるんでしょうけど、解りづらいですw」
風「元々の参加国のメンツを見ても、アメリカが積極的にTPPに参加する理由なんて見当たらねーんだよな。だってほとんどの国と既にFTAやってんだもん。それが2010年になって急に参加して議長になって、日本に交渉参加を急かしてる。……目的はどう考えても一つじゃねーか」
向「真実はいつも一つと僕達は勘違いしてしまいがちですが、真実なんて一体この世界のどこにあるって言うんですかね……」
月「お前がそう思うんだったら(ry」
風「おめーらちょっと黙ってろw」
臨「えっと、つまり日本とのFTAをアメリカが狙っている〜、って事なんですかね〜?」
月「まぁ上っ面だけ勉強してもそういう結論にはなるわよね」
風「とまぁ現状把握が解った所で、今度は具体的な話に入ろうか。ここでの結論は、TPPなんてのは、実質アメリカとのFTAでしかない、って事だ。いや、日本も日本で、ブルネイベトナム、マレーシア、チリ、ペルー、シンガポール、オーストラリアと……おい、日本もほとんどの国とFTAしてるじゃねぇか……」
月「いや、結構マジでTPPなんてただのお為ごかしで、実質アメリカとのFTAでしょ」
向「ほら、オーストラリアとか他の国と日本との経済連絡協定の内容が若干不満だった、とかもっと手広く自由にやりたい、って可能性が無い訳じゃないですよ」
月「ペロッ……これは青酸カリ嘘を付いている味よ」
向「まぁ僕もそんな可能性は信じてませんけどね」
臨「で、でも一応多国間のお話なんですから、何かしらの影響はあると思いますけど〜?」
向「もそもアメリカとのFTAの方が大問題過ぎて、他の事なんて目に入らない、って感じですかね。それくらいアメリカとのFTAはやばいです。っていうか、ある程度の経済力と、生産力のある国とのFTAはやばいんですよ。前回でも言いましたけど、FTAで関税を無くすっていう事は、自分の国の強い産業の輸出を強めて、相手の国の産業を殺すって事ですからね。日本が全面的に有利な状況だったら僕も文句言いませんけど、経済力世界第一位相手とか、二位じゃ駄目なんですか、とかいう仕分け担当()がいた国がやっていいことじゃないですよ。いやマジで
臨「相手の産業を殺す……ですか〜。じゃあ今まで日本がFTA締結している国の国産精密工業は大ダメージな訳ですよね? それなのに日本が有利だったら良い、ってちょっと酷い感じがしますよ〜……」
月「残念だけどそれが国際情勢だし、外交戦術なのよ。自分の国の利益になる条約、協定を結んでくる外相が良い外務大臣だもの。世界的不況だから皆自分を守るのに必死なのよ……悲しいけど、これ外交戦争なのよね……」
臨「うにゅ〜。なんだかもやもやしてきましたよ〜」
風「お前らちょっと待てw まだTPPが日本の不利になる、と決まってる訳じゃないぞw いや、俺も有利になる要素なんてどこにあるんだよとか思うけど」


TPP……っていうか日本とアメリカのFTAによるアメリカの狙い。

風「TPP、TPPって言ってるけど、実質アメリカとのFTA状態ってのは解ったな。ではじゃあアメリカとFTAしたらどうなる、って話に入ろう。実際ここがメインだ」
月「って訳で、FTAを結ぶと優れた産業の輸出が伸びて、駄目な産業が淘汰されてく、って感じなんだけど……日本とアメリカ、それぞれの強さって何だと思う?」
臨「えっと、前回もやりましたけど、日本の強みは精密工業ですよね〜。主に車産業は強いはずだと思います〜」
月「要は加工貿易よね。まぁ綺麗に言えば技術大国、駄目そうに言うと資源小国らしいって事で。じゃあアメリカの強みって何かしら?」
向「訴訟です
風「訴訟だな」
月「それ、笑えないから」
臨「えっと〜……アメリカ産の物〜……そうだ、近所のスーパーの玉ねぎとか、牛肉とか、アメリカ産だった気がしますよ〜」
月「そうね。あのただっ広い国土を利用した第一次産業が輸出のメインかしら」
向「小麦の生産量は世界三位、とうもろこしは世界一。大豆も世界一。綿花が世界二位ですね。オレンジも世界二位。牛肉も世界一で、豚肉が世界二位の輸出量ですよ。うーむなんという第一次産業大国」
風「大量生産、大量消費って事だな。他にも金融、サービスや情報ソフトウェアなんかは強いんだが、工業製品は軒並み輸入に頼ってる。これも学校で習うと思うんだが、アメリカはとにかく貿易収支が赤字続きなんだ」
月「そのせいもあって、アメリカ国債って世界中にめっちゃめちゃ出てるのよね。まぁ原油取引は原則ドル立てで行われているから、そういう意味での価値補強はしっかりしてるんだけど……まぁこれも今回はあんまり関係ないわよね。とりあえず貿易赤字の悪化で、国債発効額が半端ない事になってて、一時期問題になったでしょ? ほら、アメリカ国債の格付けがどうとか」
向「ムーディーズの格付けですね。コレも前のブログで記事にしようとしてた名残があるんですけど……あれもいつかまとめられたらいいですね(棒」
風「まぁなんにせよアメリカとしてはムーディーズの格下げ事件もあって国債の大きさが本格的に国家問題なんだよ。だからオバマさんも輸出倍増計画とか言ったりしてるんだが……」
臨「輸出倍増計画ですか〜?」
月「オバマさんが発表した経済政策ね。貿易赤字を減らして国債も減らすよー、って感じ」
風「その、輸出倍増計画を発表したのが2010年9月で、アメリカがTPPに参加したのが2010年10月……これが示す答えが、貴様に解るか?」
臨「えっと、あのアメリカはTPPに輸出増加を狙ってる、っていう事ですよね〜」
風「じゃあその相手はどこになる? 経済力で言ったらどの国もほとんどアメリカの相手にはならない。しかもほとんどの国とはFTA締結済みと来てる」
臨「えっと〜……。日本、しかないような……」
月「それでアメリカの強みって何だったかしら?」
臨「農業ですよね〜。つまり日本に対して農産物の輸出を増やすのが、今回のTPPの狙いでしょうか〜」
月「はい、よくできました」
向「そして当然のように対外貿易黒字を伸ばす、って事は、日本の輸出はそれほど受け入れる気は無いでしょう。っていうか受け入れる訳がない。輸出倍増してやんぜ! って国家政策で言ってる国が輸入増大する訳がないです。だって貿易黒字って輸入より輸出が多く無いと増えないんですよ?」
月「当たり前よw」
風「そしてそれがあからさまに出てるのが米韓FTAだな。俺、アレは笑ったわ。詳細は省くがアメリカがヤベーと思ったらアメリカ側の車の関税を戻せる、とか、韓国は知的財産権アメリカが直接規制する、とかかなりヤベーよ。訴訟する気満々じゃねーか。他にもアメリカ側だけが有利になる条件とか内政干渉だろコレってヤツが多すぎるんだよ。FTAで相互利益、なんて建前で他の国を食い物にする気全開過ぎるだろ」
向「経済力に差があるんだからアメリカが優先されて当然、なんて資本主義バリバリの考えだとしても到底納得できませんよね。これ、後年の歴史の教科書に乗ってもいいレベルで不平等条約ですよ!w」
月「いやーこれ全然笑い事じゃないでしょ。どう考えても明日は我が身なんだけど」
「」


TPPのメリット・デメリット。

風「って訳で大体の概要は解ったな? アメリカの狙いは日本に対して輸出を伸ばすこと、それも農業製品だ。で、対する日本の効果は……無い
月「ちょっと待ちなさいってw 無いは無いでしょう!w」
風「いや、でもよー。輸出倍増計画ってお前、輸入増加する気は無いって明言してるようなもんじゃん。多少輸入が増えるにしても絶対輸出の比率が多いに決まってるよ。そういう政策なんだから。って事は相対的に見て日本は対貿易赤字が増えるのは目に見えてるじゃん。そして実質アメリカとのFTAで、その内容もアメリカが議長になって仕切ってるんだろ? 今どういう内容を考えてるか解らんが、少なくとも米韓FTAを見て、アメリカとのFTAを日本が有利になる条件に出来る、なんて妄想してる日本人なんて居ないだろ」
向「でも野田首相は有利になるように交渉するがな、って言ってますけど」
月「信じられないわー、マジで信じられないわーw 外交圧力に負けて交渉参加とか決めるレベルの首相が自国に有利な条件とか引き出せる訳ないわーw っつーかそもそもアメリカは日本に対して貿易黒字を増やす為にTPPするってのは素人目に見ても解るのに、どうやって相手が損する条件まで持っていくのよ? あなたの目的は解ってますけど、残念だがそれは駄目だ。わたしのルールに従ってもらう、って言うんでしょ? 無理ゲー過ぎるわよw」
臨「相手の狙いが輸出増大って解ってる以上、そして他の国とは日本は元々FTAしてるんですよね? だったら他で補填する事も出来ませんから、TPPに参加したらどうやっても貿易赤字が増えるだけだと思いますよ〜」
風「っつー事でともかくTPP単体で見た時、国家単位では赤字を増やす事になる、ってのは解ったな? まぁアメリカや他の国から安く仕入れた部品やらを加工して、他国に売る事で利益を上げる、って事も考えられるのかもしれんが、そもそもどっから部品買うんだよ、ってなった時にやっぱりアメリカ以外に無い訳で、そうなると結局貿易赤字が……となり無限ループになるので今は無視する」
月「って事は後は全体的に見て損するのが解った上で、メリット・デメリットを上げれば良いのね」
向「メリットはある意味簡単ですかね。アメリカの農作物がめちゃめちゃ入ってくるでしょう。しかも安い。僕らの生活に一番近いのも多分ココですしね」
臨「そうですね〜。ただでさえお安いアメリカ産の食べ物がもっと安くなったら嬉しいですよ〜」
月「で、その代わりのデメリットとして、日本の農家は更に厳しくなる、と。ただでさえ東北の農業大変そうなんだけど、死人に鞭打つようなマネ、あたしには決断出来ないわよ」
風「食糧自給率の問題でも大変だよな。ただでさえ低いのに更にアメリカに頼るってなったら、アメリカにより一層頭が上がらんだろう。外交態度としてそれはいいのか、と思うが、まぁただでさえ土下座外交なんだからどーでもいいって言えばいいか」
月「全然良くないからw」
向「後はまぁ、一応工業製品の輸出は伸びるでしょうね。特にアメリカで日本車の販売数が伸びるのはほぼ間違い無いでしょう……と、思ったんですけど、米韓FTAを見る限り、こっちも制限食らいそうですけどね……」
風「後はFTAっていうかEPAに当たるんだが、労働力、サービスや金融の自由化によって日本企業が海外に進出するのが簡単になるってのがあるな。……ま、日本は人件費高いから、当然自由になったら海外に工場が立つのはほぼ間違い無いだろうな」
月「それもデメリットと同位してるでしょ。アメリカとか他の国に工場が立ったら、日本の工場はどうなるの? 輸出が増えるって言っても日本単体で見たら赤字なのよ?」
向「まぁ単純に人件費の高い日本の工場潰して海外に立てますよね。やったねたえちゃん! 失業者が増えるよ!」
風「おいやめろw」
月「後は海外からの良質のサービス、金融事業の輸入だけど……これも米韓FTAを見るかぎり、アメリカ様に仕切られて、訴訟連打されるのが目に見えてるわ……。韓国の政策でアメリカ企業が不利益を被ったら、アメリカが訴訟して韓国の政策変えられるのよ? 完全に内政干渉じゃない。っていうか国が自国の企業も優遇出来ないこんな世の中じゃ、ポイズンって感じなんだけど」
風「日本の常識世界の非常識、って感じでアメリカ辺りの良質のサービスが入ってくるかもしれんが……だから結局やったねたえちゃん! 日本で失業者が増えるよ!」
向「おいやめろw」
臨「どういうパターンでも日本の失業者が増えるイメージしか無いですよ〜!w」
月「だって、日本の雇用を増やすには日本企業が海外に進出するしかないんだけど、工場現地で作ったら相手の国で従業員雇った方が安いし、何度も言うけど対アメリカ貿易はどうやっても赤字になるのよ? どこにも増える要素なんて感じられないんだけど。仮に日本のサービスが優秀で海外進出が順調だとしてもアメリカは輸入なんてしたがってないんだから、米韓FTAのように予防策作るに決まってるじゃない。どっちにしても詰みなのよ」
向「そんな状況にも関わらず、アメリカに損な条件引き出してくるぜ! っていう野田さんはほんとうにいだいなしゅしょうだなー
風「ほんとになー(棒
臨「ふたりともなんだか怖いですよ〜!」
風向「「ありがとう民主党()!」」
月「そろそろ収まりがつかないからまとめに入るわよー」


TPPまとめ

風「って訳でそろそろまとめるぞー」
月「じゃあ僭越ながら私から。これ、やっぱりTPPに参加しない方がいいわよね。どっかの試算ではGDPが増えるとか言ってるけど、結局このTPP単体で考えたら、これってただのアメリカとのFTAだし、アメリカは貿易黒字しか考えてませんよ? とか言ってるし、総合的に日本にメリットが無いわ」
風「うむ。俺達素人には経済指標というか、経済効果は計算できんし、言われた数字をつい鵜呑みにしてしまうしかないが、相手の思惑やら、TPP参加国を見ていればそんなに効果が無さそうにしか見えんw これを納得させるんだったら俺達素人にもわかりやすい指標を持ってきて欲しいもんだ」
向「だから持ってきてるじゃないですか。急がないと国際社会乗り遅れますよ! 参加するだけでこれだけの経済効果が! とか解りやすく」
月「それ、どう考えても衆愚政治だから」
臨「あからさまに怪しいっていうか詐欺師の物言いみたいですよ〜!」
風「いつもだったらメリット・デメリットで色々考える要素があるんだが……大局的に見て損なのが解ってるからな。局地的に得、とか言われても納得はし辛いだろ。っつーかやっぱり米韓FTAが酷過ぎるのが一番の問題だよw 端的に言って、あんな条約結ぶヤツと同じような条約結べないってw」
向「って訳で僕は賛成しときましょうか」
月「さっき散々言っといて信じられないにも程があるわよw」
向「何言ってるんですか。アメリカとFTAすれば毎日食べるご飯が安くなるんですよ。やったね!」
風「賛成理由が酷過ぎるwwww
向「日本の農業が危ない! とはいっても、まぁ僕農業従事者じゃないですしね。それに食糧自給率も元々どうしようもないですし。アメリカのサービスが大量に入ってきて、ルールもアメリカ式になって、アメリカの奴隷になっちゃう、なんて意見もありますが、元々日本なんてアメリカの属国なんですから、今更何言ってんだ! 言うのが60年遅いぜ! って感じで。そんな未来の奴隷よりも、明日のご飯ですよ。……まぁ言って虚しくなって来ましたけど」
臨「えっと、その、でも結局まだTPPが米韓FTAのような変な内容になるか、ってのは決まってないんですよね〜? そして今野田首相が言っているのも、TPPの交渉参加な訳ですし〜。その言い方は悪いですけど、途中で抜けた国もあるわけですから、日本も交渉だけは参加しておいて、都合が悪かったら参加をやめればいいだけじゃないんですか〜?」
月「そもそも、最初から不利なのが解ってる交渉にどうして参加表明したんだと思う? こんなのどうあがいても対米印象を良くしようって魂胆でしょうが」
向「国家陰謀論乙!」
月「今回ばっかりは結構マジよ! 普天間問題をメインに相場介入宣言とか、民主になってから対米印象は悪化っていうより最悪なんだもん。このへんでいっちょ媚売っておくか、ってのが透けて見えるのよ! そんなヤツが交渉で相手の嫌な所を突くなんて出来る訳ないわ」
臨「でも、ほら、参加だけはして面目は立たせて、無茶なお話だったら抜ければいいじゃないですか〜」
風「貴様が外交官だったらマジギレされるレベルの態度だな。国家同士の話し合いでは交渉参加って事は基本的に合意とほぼ同意なんだよ」
臨「ほえ〜! どういうことですかそれ〜!」
月「え、だってほら、そんな態度が許されるんだったらちょっとでも劣勢になったらやーめたって言えばいいことになっちゃうじゃない。交渉参加のテーブルに座る、って事は後はどれだけ自国に有利な条件に決められるか、っていう外交戦争なのよ? それがちょっと上手く行かなかったから、全部放棄して撤退とか、余計対外印象悪くなっちゃうじゃない。っていうか、印象を良くしようって参加したのに余計悪くするって、それ本末転倒過ぎるわよ」
向「まぁ本当にアメリカに媚売る為に参加したのかは解りませんけどね」
月「そーじゃなかったらブレインがよほどのバカかのどっちかよ! 戦争、政治、経済は三位一体。こんなの基本中の基本でしょ。どれか一つでもないがしろにすると国が損するのよ!」
風「ともかく世界的な常識では交渉参加はよっぽどの事がなければ同意だな。まぁ米韓FTAくらいの事があったら撤退しても国際的には許される気もするけどなw」
臨「うむむ〜。それじゃあ、わたしも、やっぱりTPPは参加しない方が良いと思います〜」
月「ま、円高が過ぎるから、輸出産業としてはTPPを通じて輸出を増やして、円安に持っていきたい、って考えもあって一部の人たちは結構切迫してるとは思うんだけどね。やっぱりアメリカの動向を見るとそれも大事の前の小事としか思えないのよ」
向「それをさっきの僕の擁護にでも使ってくださいよw」
風「適当ぶっこいたお前が悪いわw」



風「って訳で二回に渡っておつかされさん、っと」
臨「いや、でもひさびさの勉強会で楽しかったですよ〜」
月「まぁ時期が時期だからちょっと駆け足だったけどね。本当はもっと経済効果についても調べたかったんだけど……」
向「前提の時点で、ああ、もうこれ話になってねーわ、って感じでしたからね」
風「米韓FTA、アメリカの輸出倍増宣言、TPP参加国と日本がFTAし過ぎ、アメリカもFTAし過ぎ、って時点でもう擁護する場面が無いからな」
月「まぁ、本当に円高が過ごすぎるから、TPPでなんとか、って気持ちも解らなくはないんだけど……他が犠牲になりすぎっていうか……。いや、でもやっぱり国家の舵取り役が不安過ぎるっていうか……ぶつぶつ」
向「ま、もう四の五のいっても首相は参加する気まんまんらしいので、もうどうしようもないです。APECで公式発言もしちゃいましたしね」
風「後は天に運を任せる、か」
月「いや、どう考えてもアメリカの輸出が増える未来が見えるんだけど」
向「ま、そりゃ確定事項でしょう。アメリカの狙いは間違いなくソレですし」
風「つまり今は無邪気に牛丼が安くなるのを喜べばいいんじゃないかな?」
臨「そ、それはどうかと思いますけど〜!」
風「そろそろマジで締めるぞ。ま、今後の展開次第ではもうちっと追記してもいいな。とりあえず急に仕上げた感じではあるので、落ち着いたら少し見直したい」
向「って訳で強はこのへんでお開きですね」
風「うむ。それではまた次回」
臨「はい〜、それではまた〜」
月「んじゃ、またね」
向「はい、それではまた。ノシ」
← TPPについての勉強会。その1。