やる気があれば誰でも出来る! ペンタブ、CG初心者講座。その3:画像編集ソフトについて。

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画像編集ソフトとは? ペンタブレットのオプションとは?

風「って訳で前回の続きだ。ペンタブレットについては前回やったが、絵を描くのにペンタブレットだけでは絵を描くことは出来ないPC上に絵を描くソフトが必要になってくる」
臨「はれ? でもわたしは普通に描いてましたけど〜?」
風「その1のアレか。アレも一応画像編集ソフトを使っているだろ。『ペイント』っていうどのパソコンにも基本で付いてくる簡単なソフトだ」
臨「?? えっと、じゃあその『ペイント』で絵を描けばいいんじゃないですか〜?」
風「まぁそりゃそうなんだが、ペイントってのは本当に基本的な機能しか付いてないんだよ。電卓で言えば、足し算しか無いようなもんだな」
臨「ペイントってそんなに機能が少ないモノなんですかね〜?」
風「使い道が全然無いって訳じゃないんだけどな。簡単な画像の切り貼りだったらペインタの方が簡単だったりするが……少なくとも絵を描くのに充分とは全然言えない。っていうかむしろ全然足りない。画像編集ソフトの機能について詳しくはまた後日紹介するが、それとは別に画像編集ソフトは間違いなく必要なのだ」
臨「うむむ〜。それじゃぁその画像編集ソフトはどうやって手に入れるんでしょう〜?」
風「入手の仕方、導入の仕方もおいおいやっていくつもりだが……まぁインターネット上に無料配布しているもの、ネット上で販売しているもの、PCショップにパッケージで売っているもの、またペンタブレットにオプションで付いているものと多種多様あるな」
臨「んむむむ〜? 無料から有料までって、そんなの、どこの何を使えばいいのか全然分からないですよ〜」
風「って訳で今回はその辺を紹介していこうと思う。どうやって導入するか、についてはまた次回あたりで説明する事になりそうだな」
臨「……えっと、ところで、結局ペンタブレットのおぷしょん、って一体何が付くんでしょうか〜?」
風「うむ。他のタブレットは知らんがWACOM製のペンタブレットについては、オプションとして画像作成用ソフトウェアが付属している製品がある。具体的にはフォトショップのエレメント、ペインターのエッセンシャルとか、コミックスタジオミニとかだな」
臨「フォトショップも、ペインターも有名な画像編集ソフトですよね〜。聞いたことあります〜。それが手に入るんだったら、オプション付きの方がいいんですよね〜?」
風「んー。手放しでそっちが良い、とは言い辛い所があるんだけどな。まぁ何も画像編集ソフトを持っていないんだったらオプション付きが良いに決まってるけど」
臨「なんだか奥歯にものが挟まったかのような言い回しですけれども〜。フォトショップもペインターもプロも使っているようなソフトですよね〜? それが手に入るんだったら迷わずオプション付きで良いと思うんですけれど〜」
風「いや、このオプションでついてくるソフトは、どっちも廉価版……すなわち、本当のPhotoshopPainterの機能制限版なんだよ。どっちも一部のレイヤー処理とか、トーンカーブとか、ペジェ曲線とか、色々な点が削除されている。……とはいうものの、本来のソフトを経験せずに最初っからエレメントやら、エッセンシャルを使うんだったら不便は感じないと思うんで、学生でも無く手元に何かしらの画像編集ソフトが無いならオプション付きを買ったほうが間違いなく安上がりだと思う
臨「学生でもなく、ってのはどういう意味ですか〜?」
風「学生だとアカデミックパックっていって、学生割引が効くんだよ、この手の製品は。他にも一太郎とかのテキスト編集ソフト、ウィンドウズ等のOSもそうだ。しかも割引率がハンパねぇから、学生の諸兄は学割使用も視野に入れてソフトは考えた方がいいかもしれん。ぶっちゃけこの手のソフトは最低2、3年は現役だし、そうで無くてもいくらか前のバージョンだからって壊滅的に使えない、って状況にはまずならないからな。問題はバージョンアップが出来ない、って事と、商用利用が出来ないって事くらいか」
臨「それで、その……そういうソフトってお幾らなんでしょうか〜?」
風「フォトショップが本来は15万円くらい。ペインターも似たようなもんだな」
臨「じゅ、じゅうごまんえんですか〜! そんなのさすがに高すぎて手がでませんよ〜!」
風「まぁ素人が気軽に手を出せる金額じゃぁない。って訳で今度はアカデミックパックだが……大体3万円前後かな。脅威の7割引きだ。小学生から大学生まで、学生なら学生証さえ提示出来れば買えるぞ。専門学校は……どうだったかな? まぁこっちに購入者条件が提示されてるんで不安な人は見ておいて、購入前に確認しておいた方がいいとは思うぞ」
臨「そ、それでもやっぱり三万円はお高いですよね〜……」
風「そういう時の為のオプションだな。廉価版とはいえ、実質数千円程度で画像編集ソフトが買えるのは大きい。って訳でそろそろ画像編集ソフトの特徴でも上げてみるか。一応有料ソフトからフリーソフトまで有名所は幾つか紹介する。っても使ったこと無いソフトも紹介するので話半分って感じで聞いてくれよ?」
臨「了解です〜」
風「あと重要な事なんでもう一回言うが、フォトショップもペインターもアカデミックパックを使用すると商用利用は出来ない。卒業してもアカデミック版を使う事は出来るが、本格的に絵を飯の種にするんだったら、特別優待版を買う必要が出てくる……が、まぁまだ考えなくてもいいとは思うが。とりあえずアカデミック版は商用利用が出来ない、って事は絶対に覚えておいてくれよ」


有料ソフト(高級)

1:Photoshopフォトショップ
 特徴:高額(学割で3万とか)。あと動作がやや重い。その分性能は高く、線画、色塗り、画像加工、なんでも出来る。ユーザーが多いので困った時にネットやら書籍で楽に調べられる。ペインターとの最大の違いとして、キャンパス回転が出来ないのが人によっては凄く不便な時も。

2:Painter(ペインター)
 特徴:高額。フォトショップと同程度。動作もかなり重め。一番の特徴はブラシの種類とカスタマイズの多様性。自分好みの設定が出来るが、逆に言うと多様過ぎて初心者には向かないかも。またフォトショップに比べてユーザーが少ないので参考にするサイト、書籍が少ないのもとっつきにくい。

 EX:フォトショップとペインターの違い。
  フォトショップはキャンパスの回転が出来ない。ペインターはレイヤーを増やすと重くなりすぎる。フォトショップは完成後の色調整、色彩効果がやりやすく、フォトショップはブラシが多彩で色重ねがしやすい。あとはぶっちゃけ好みと慣れ。
  というかどっちも高いので、今からペンタブを買おう、って人にはあまりオススメしないかも。パソコンが最近のモノでハイスペック、学生で3,4万くらいなら出せて、ここ数年は本気で絵を描くよ! 毎日描くよ! っていう気迫のある人になら、なんとか。


有料ソフト(安価)

1:Photoshop Elementsフォトショップエレメンツ) 
 フォトショップ廉価版(安くて機能が少ない)。基本的にはフォトショップと変わらない特徴だが、ペジェ曲線が引けないのが最大の問題か。

2:Painter Essentials(ペインターエッセンシャル)
 ペインターの廉価版。エレメンツ同様ペインターと変わらない特徴だが、こちらもペジェ曲線が引けないのが問題。あとフォトショップエレメンツと違い、円や四角などが描けない

3:sai
 インターネット上で配布しているシェアウェア(有料ソフト)。5,250円。試用期間は31日。上記に比べて比較的軽い動作、最大の特徴としてペン入れレイヤーという擬似ペジェ曲線ツールがあるので綺麗な曲線が書きやすい。キャンバスの回転なども出来るが、上記2つに比べるとブラシに癖があり、また図形を作ったり、文字を入れる事が出来ない。そしてなにより最大の問題点はグラディエーションが作成出来ない事。ライセンス購入が若干面倒。

  EX)安価有料ソフトまとめ。
   フォトショップエレメンツも、ペインターエッセンシャルもタブレットのオプションで付いてくるのが最大の利点。特にフォトショップエレメンツは技術指南サイトも多く使いやすい。色彩にこだわるならペインターだが、ブラシの自由さやその塗りの多彩さが逆に初心者には難しい点も。どちらもペジェ曲線が使えないので、自分の手で綺麗な曲線が引けないと辛い。saiの最大の特徴はペン入れツール。誰でも簡単に綺麗な曲線が引け、また線の強弱、修正も出来る。問題は図形や文字が入れられない事、グラディエーションが使えない事か。エレメンツ、エッセンシャルも他ソフトと併用でペジェ曲線を利用する事も出来るが、一手間に。saiはフォトショップと互換性があり、sai→フォトショップで作業するのにストレスが少ない。


無料ソフト

1:PIXIA
 無料画像ソフトとしては老舗であり、昔から変わらないインターフェースが特徴。動作も軽く、ペジェ曲線も引ける、が線がぼけやすく、小さい部分を綺麗に書こうとすると独自のズーム、スムーズズームを使用する必要がある。が、スムーズズームが独特過ぎて使いづらい上に重く、画像が乱れたりするという三重苦。それ以外は図形、ペジェ曲線、グラディエーションと全て揃っている為、入門者向けと言えば入門者向け。個人的には特に基本的なレイヤー周りを理解するのに向いていると思う。ただしレイヤーのクリッピングが出来ないのはかなり大きい問題。

2:GIMP2
 ソースコードを公開しているフリーソフトで環境開発が盛ん。図形、ペジェ曲線、文字、画像処理など全てがあり、特に画像加工種類は豊富……というか全体的に何でもアリの全部盛り状態。プラグイン拡張機能)も豊富なので、使いこなせればフォトショップ、とも言われるが、そもそも初心者に使いこなせるのか、といわれれば若干疑問符。とはいえ無料にも関わらず規格外の性能なのは間違いない。若干描写に癖があるかも。地味にクリッピングが不自由。

  EX:無料ソフトまとめ
  無料の画像処理ソフトは数多あるが、ぶっちゃけGIMP2で良い。とはいえ、GIMP2はやれることが多すぎる上、常に追加プラグインという形で進化しているので初心者向きではないかも。また画像修正も指定する事が多く、何が変わったのか、何が変わるのか、指南書やサイトが必要なレベル。PIXIAは逆に昔から変わらない仕様が特徴で、指南サイトも多い。しかし細かい描写や線の処理が苦手で、それを補う為のスムーズズームという機能が曲者過ぎるのが最大の欠点。ぶっちゃけ使いづらい。が、それ以外のレイヤー等の処理は使いやすく単純なので基本を覚えるという点では優れている。

臨「えっと、フォトショップとぺいんた〜の違いがこれで、ぎんぷとぴくしあがアレで〜さいが〜ペン入れつ〜るが〜……!」
風「とまぁ、お約束のように混乱しているので更に整理すると」

画像編集ソフトまとめ。
1:フォトショップ、ペインターを買うのが正解だが、高すぎるので初心者はやめておけ。
2:それでも欲しい場合は学生ならアカデミック版がどっちも3万程度で買える。けど商用利用は出来ない。
3:ぶっちゃけペンタブ買う時にオプションつければフォトショップ、ペインターの廉価版が付いてくるのでソレを使えばOK。
4:フォトショップは色彩処理、ペインターは塗りが強い。廉価版はペインターの方が若干難しくて機能が少なめと玄人向き。
5:無料のモノを使うならGYMP2が一番高性能。ただやれる事が多すぎて難しいかも。あとクリッピングが少し面倒。
6:曲線引くだけならsaiが最強。saiで線画と下塗り→フォトショップ廉価版で本塗りと処理、が現実的なレベルで最善な感じ。
7:安価に済ますなら、GYMP2やPixia、ペジェ曲線作成ソフトで線画 → GYMP2、フォトショ廉価版で処理で安定。

風「ってところだな」
臨「うーん、なんとか理解出来そうな感じになってきましたよ〜」
風「個人的なオススメは俺も使っているsaiなんだが……調べてみるとやっぱりGYMP2が強い。っても俺はGYMP2は操作が解りづらいんでちょっとしか触って無いんだよな。他にも線画描写ツールとしてはコミックスタジオイラストレーターなんかも良いらしいんだが、その辺はちょっと悪いが割愛させてもらう。簡単な導入、使用の仕方も説明するつもりなんで、全部紹介してたらきりがねーし」
臨「聞いているこっちもたくさんあると何がなんだか解らなくなってきます〜」
風「っつー事で極論すると、ペンタブ購入の際に安価で手に入るフォトショップエレメンツ、ペインターエッセンシャルをメインに使い、足りない所を他のソフトで補う、っていうのが一番初心者向けでそこそこ良い環境作りになるんじゃないか、というのが結論だ」
臨「そこまで単純だとわかりやすいですよね〜」
風「お前ちょっとは自分でも何がいいか悪いかとか考えろw」
臨「(´・ω・`)とはいっても何が使いやすくて何が自分に合ってるとか、使ってみないと解らなくないですか〜?
風「うぐ。いや、でも住めば都のコスモス荘、ということわざもあってだな……。まぁいい! って訳で最後にペンタブレット購入の際に間違わないように紹介記事つけて終了しよう。ペンタブレットの中で前回オススメしたIntuos4、BAMBOOの中で、オプションとしてフォトショップエレメンツ、イラストレーターエッセンシャルが付いているのを紹介する。これ、あくまでオプションとして画像ソフトがついてるか付いてないかの違いだけだから見た目と名称が似てても、オプション無いのとかあるから気をつけろよ? オプションの有無は型番の最後の数字だ!

風「INTUOS4のミディアムサイズの場合、型番は『PTK-640/K4』/K4の”4”の部分がオプション有りの証拠だ。一応オススメサイズのミディアムで紹介してるが、サイズはお好みで変更すると良い。サイズはPTK−640の”640”の部分だ」
臨「えっと、でもSサイズを買うのは少し考えた方がいいんですよね〜?」
風「後述のBAMBOOもそうだがSサイズは見た目より描写範囲が酷く少ない。これを認識した上で買うなら良いが、本当に狭いからSサイズ購入を考えてるヤツは一度本物見てきた方がいいぞ。って訳で次はBAMBOOだ」臨「こちらの型番はCTH-670/K1ですね〜。/K1の”1”がオプション有りとなってます〜」
風「BAMBOOはサイズがSとMしかない。が、逆にカラーバリエーションとオプション有りが3つある。後ろの/K1の部分のアルファベット、”K”が黒色、”P”がピンク、”W”がホワイトになってる。その辺は趣味で選べ! ちなみに商品紹介だとピンクは無かった。ピンクは犠牲になったのだ……! 在庫の犠牲にな……
臨「それでその、BAMBOOでのオプションって他のはどうなってるんでしょう〜?」
風「……どっちもイラストスタジオミニとPixiaフルセットが付いて来て、後は番号”2”が水彩LITE3がコミックスタジオミニが付いてくるらしいんだが……ぶっちゃけ漫画をPC上で描きたい人が”3”を選んだ方がいいんじゃないかなー? くらい? っていうか”2”,”3”はフォトショップイラストレーターの廉価版がついてこないから、付いてくる”1”の方が得じゃね? って感じ。だってPixiaはネットで無料配布してるし……
臨「なんか身も蓋もないですよねそれ〜!」
風「ま、CGとかイラストじゃなくて、漫画が描きたいって人はむしろコミックスタジオのある”CTH-670/K3”をオススメした方がいいのかもな。多分
臨「ここに来て適当です〜!」
風「し、CGとペンタブ入門だから漫画志望はちょっと除外してもいいんじゃね?! で、何度も言うが、分り易いようにここで紹介してはいるが、買う前にちゃんと自分でWACOMのページに行ってスペック調べるなり、家電量販店のサンプル提示してる所いくなりして、確認するのを忘れずにな!
臨「あ、相変わらず念入りですよね〜」
風「あのなぁ! いい年したおっさんが適当に紹介したのを勘違いしたりして、お年玉とかで必死に貯めた一万円を握りしめた女子中学生が、適当なペンタブ買っちゃって画像編集ソフトの使い方も解らずに、自宅のモニター前で『コレジャナイ…』とかレイプ目になってる姿とか、俺は想像するのも嫌なんだよ!
臨「なら最初から紹介しないほうが……」
風「貴様はバカか! しなきゃしないで適当にグーグルで『おすすめ ぺんたぶ』 とか検索して結局同じ事になるだろーが! そういう哀れな少年少女を生み出さない為の更新でもあるんだよー! な、なんだってー!
臨「(´・ω・`)ェェー」
風「っつー事で次回はペンタブの導入方法か、画像編集ソフトの導入でもやるつもりだ。……最初は2,3回で簡単に終わらせようと思ってたのに、どうしてこうなった……」
臨「伸び伸びになるのはいつものことですよね〜」
風「ま、今回の企画はさすがにパパっと完結させる。一回くらいジャンプ挟むとは思うがな」
臨「……他の更新も忘れないで下さいよね〜……(´・ω・`)
風「善処しよう。って訳で、今回はここまでだ。いいか! 何度も言うけど、自分の財布と能力と相談してペンタブは買えよ! 所持金に余裕があって、ちょっとこだわるならINTUOS4、PTK−640/4Kがオススメ、中高生とか、とりあえずペンタブレットを使ってみたい、って人はBAMBOOのCTH−670/K1がオススメだ。 衝動的に買うんじゃなくて、ちゃんと熟考した上で購入して欲しいな」
臨「お買い物は計画的にお願いしますね〜」
風「んむ。それじゃ、また次回だな」
臨「はいはい〜。それではまた〜。ノシ」
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